終了した展覧会・イベントです
[画像: 国久真有 《WIT-WIT HOLE LIGHTS》、2019、アクリル絵の具・キャンバス、H292×W292×D3.5 cm Photo by M.Sato@October studios]

國久真有 「THE BUTTERFLY DREAM」

SOKYO ATSUMI
終了しました

アーティスト

國久真有
SOKYO ATSUMI では、國久真有「THE BUTTERFLY DREAM」を開催いたします。今春、京都の艸居アネックスで開催された個展「BUTTERFLY EFFECT」に引き続き、本展では夢と現実の境界に焦点を当て、國久作品の本質に迫ります。
國久真有は1983年大阪府生まれ。現在は関⻄圏を中心に画家として活動を広げています。2019年には「第22回岡本太郎現代芸術賞展」特別賞を受賞。2022年は艸居での展覧会以外にも、開催中(〜7/24)の兵庫県⻄脇市岡之山美術館「國久真有―絵画を生きる」やソウルでの個展も開催されるなど、國久にとって飛躍の年となります。
本展では、一辺が約3mの巨大なスクエアサイズのペインティング《WIT-WIT》シリーズを発表いたします。そのサイズから「六甲ミーツ・アート芸術散歩」といった野外芸術祭で公開制作されることが多かった大作ですが、このたびホワイトキューブの空間で初めて披露されます。この3点の大作を中心に、3mの大型ペインティングを切断して作られた小作品《AUTOLYSIS》シリーズを交えながら展覧会を構成しております。
展題「THE BUTTERFLY DREAM」は、中国・戦国時代の思想家である荘子の有名な説話『胡蝶の夢』から取られています。
「夢の中で蝶となって宙をひらひらと舞っていたが、目を覚まして我に返ると人間の荘子であった。蝶になった夢を見ていたのか、それとも夢の中での蝶こそが自分自身であるのか...」
この説話は夢と現実の境界や、物事が変化していく様を例えていると考えられています。國久は「人々は現実と夢を分けて考えがちだが、本当にそうなのだろうか。そこに思いを巡らせながらこの言葉を展題に選んだ」と述べています。
國久のペインティングの特徴は、身体を目一杯使って描き出す線描にあります。身体を軸とし腕のストロークと遠心力を用いて円弧を重ねて描いていく《WIT-WIT》シリーズの名称は、古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスの『建築論』の記述をもとにレオナルド・ダ・ヴィンチが1485〜1490年頃に描いたドローイング『ウィトルウィウス的人体図』に由来します。四角い平面に作家自身の身⻑と同じ⻑さの円が積層し、何次元もの空間の奥行きが生まれます。本シリーズは2014年より継続して制作に取り組んでいます。
「弧の線」を重ねることで「光」を表現しているという國久。フリーハンドで平面の上に描き出される線は円弧となりますが、作家自身の視点からすればそれは自らの体に対し真直ぐに存在している線でもあります。本来ならば目に見えないはずの線が、その時の心情や、季節、環境、気温といった外的要因に応じて選択された色彩でキャンバスの上に描かれています。
本展で展示される大型ペインティングは、中央に白い空間が存在しています。これは3m近いキャンバスの大きさもあり、全身を使った円弧の描写が届かず「絵具が塗られていない」部分です。絵を描く行為の結果として生み出された白い空間は、絵具と支持体の結びつきを暗示しているようでもあります。そのイリュージョニスティックな境界性はまさしく『胡蝶の夢』を想起させ、歴史的に絵画が言及し続けてきた「描く/描かれる」といった二項関係を鑑賞者に問いかけます。絵画を描くことに真摯に向き合いながら制作されたスケール感溢れる國久の作品を、この機会にぜひご高覧いただけますと幸いです。

スケジュール

2022年6月18日(土)〜2022年7月27日(水)

開館情報

時間
11:0018:00
金曜日・土曜日は19:00まで
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場SOKYO ATSUMI
https://sokyogallery.com/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEXⅡ304
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩7分, 東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩8分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩3分
電話番号080-7591-5212
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません