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「完璧に抗う方法 - the case against perfection - 佐藤史治と原口寛子/関真奈美『2人だけでも複雑/はじけて飛び散り、必然的にそこにおかれる』」

あをば荘
終了しました

アーティスト

佐藤史治と原口寛子、関真奈美
「完璧に抗う⽅法 – the case against perfection -」は、図師雅⼈・藤林悠による企画展覧会です。企画者を含む9名と1組のアーティストが、2⼈展を隔⽉で開催していきます。第4回⽬は、佐藤史治と原口寛子、関真奈美「2人だけでも複雑/はじけて飛び散り、必然的にそこにおかれる」

この展覧会は、アーティストの図師雅⼈と藤林悠で⽴ち上げました。2⼈展形式の美術展覧会の開催にあたり、事前にリサーチとして出展作家の制作を始めた動機、過去作のすべてについてなど、作品にまつわるインタビューを⾏い、その内容から抽出しコンセプトを作成しました。アーティストの営みについて彼ら/彼⼥らの⾔葉を通してその経験を集積し、発された表現そのものがまた⾃⾝の元へ還るまでの過程を垣間⾒ようとします。

佐藤史治と原口寛子(同名2人によるアーティストデュオ、以下佐藤原口と表記)と関真奈美の共通点を挙げるなら、大きく「協働」「異なる、もしくは拡張して表現される、時空間の存在の想起」が挙げられるように感じられる。「協働」自体は、その意味に準ずることを両者ともやっている。佐藤原口はその協働自体が、制作の主目的の1つになっているといえる。関の場合は個人の活動もあるが、他作家とのコラボレーションワークが経歴の中で重要さの比重を占めている。

「異なる、もしくは拡張して表現される、時空間の存在の想起」については、佐藤原口の場合、場所に宿る文脈を浮かび上がらせるような映像をインスタレーションで展開し、その空間の時の流れを複雑に感じさせる仕事が多い。また関は個人の活動も他者との共作も、物や場所に宿る言語とイメージのあり方を解体し、それらを組み換えることで私たちが属している時空間をより多元かつ拡張的に感じさせてくれる。

「2人だけでも複雑」なのだと佐藤原口は語る。人が誰かと関係性を結ぶには、様々な障害がある。それを経てグループやコミュニティを作るということは、ただ単に交流を深める意味があるだけではない。固有の価値観を持つものたちが新しく、そして異なるコミュニケーションを現行の社会で萌芽させることでもある。そしてここで、京都で起きた交通事故現場の風景と自身の制作を重ね、「はじけて飛び散り、必然的にそこにおかれる」と語った関の考えを挿入したい。出会いを衝突だと形容するなら、人やイメージ、言葉、物などが、それぞれなんらかの形で出会う時、生み出されるあらゆる出来事はそのインパクトによって方々に四散する。それは情報としてならば時空間を超え、そして何処かに配置される。その星座のような配置は関が語るように、諸条件の元で「必然的に」なされる。

いつでもあらゆるものたちの出会いは、その関係性の構築に複雑さを必要としながらなお、現行の社会に変わるコミュニケーションの可能性を帯びて、時空を超え、その貴重な情報を散種する。大袈裟だが、そこには希望がある。私たちの生活の中に溢れる出会いは、何も目に見えている今だけの話ではなく、いつかどこかのだれかへ委ねられるものも必然的に含まれている。今回の展示において、佐藤原口と関(今回は1人での参加)の作品に触れることで、私たちがいつかどこかへの出会い、その一端に触れられることを喜んで期待したいと思う。

スケジュール

2022年7月2日(土)〜2022年7月18日(月)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
土曜日・日曜日・祝日のみ開廊、開廊時間 13:00〜19:00
入場料無料
展覧会URLhttp://awobasoh.com/archives/2251
会場あをば荘
http://awobasoh.com
住所〒131-0044 東京都墨田区文花1-12-12
アクセス東武亀戸線小村井駅より徒歩9分、京成押上線・東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線押上駅A1出口より徒歩11分
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