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[画像: ©Yoshihiko Ito]

伊藤義彦 「フロッタージュ - フィルムの中 - 」

PGI
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アーティスト

伊藤義彦
PGIでは5年ぶりとなる、伊藤義彦作品展「フロッタージュ -フィルムの中-」を開催致します。

東京綜合写真専門学校を卒業した1970年代後半から作家としてのキャリアをスタートさせ、写真では表現し難い「時間のながれ」、「意識のながれ」といった目に見えない概念を、写真表現を通して追求してきました。ハーフサイズカメラで撮影したフィルムを撮影順に並べたコンタクトプリントが一つの作品になる「コンタクトプリント」シリーズで、画面全体で一つの絵を構成する「imagery72」シリーズや、小動物や水滴、葉、波などの被写体を定点観測のように繰り返し撮影した「MM」シリーズで、時間の流れや意識の流れを表現した独特の世界観を創り出しました。1990年代後半からは、「異時同図」で描かれる日本古来の絵巻物を参考に、イメージを繋ぎ、貼り合わせる、「パトローネ」シリーズを制作します。自ら『写真絵巻』と呼ぶこのシリーズは、固定した場所から連続撮影した写真を素材に、引き伸ばしたプリントの必要な部分だけを破り取り、イメージを横長に繋ぎ合せて画面を再構築し、一つの画面の中に異なる時間軸を表現したものです。

パトローネシリーズで使用していた印画紙が生産中止となり、写真作品の制作が困難になった伊藤は、新しい表現の道を模索します。フィルム写真を愛用し、暗室作業を好んだ作者は、使うことのなくなったフィルムを日々手に取り、眺めながら、「様々なイメージをかきたてる存在」と語るフィルムから様々なことに思いを巡らせます。そして、写真作品制作時に資料として絵コンテやスケッチに慣れ親しんだことから、この愛着あるフィルムをモチーフにフロッタージュ作品の制作に没頭するようになります。

フロッタージュは、凹凸のあるものの上に紙を置いて擦ることにより、現れる形や模様の偶然性を利用して表現する技法ですが、伊藤のモチーフは主にフィルムであり、そのテクスチャーを利用した表現というより、フィルムから広がった想像の世界を表現した画面構成が特徴と言えるでしょう。8×10(エイトバイテン)のフィルムをベースに描き、その中に35mmフィルムを用い、様々な世界が展開されます。時間の流れを連想させるフィルムのパーフォレーションや砂時計、円や球体は、伊藤が写真家としてのキャリアの中で常に表現し続けてきた、写真に向き合う思考が表現されています。一枚一枚緻密な手作業によって生み出された作品には、作者にとって想像の源であるフィルムが繰り返し描かれ、フィルムがまるで生き物のように画面の中の世界を謳歌しています。彼のフィルムに対する愛着とオマージュが詰まった作品をぜひご高覧下さい。フロッタージュ作品の中から、エマルジョンと題されたシリーズ、約35点を展示致します。

スケジュール

2022年3月23日(水)〜2022年4月28日(木)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.pgi.ac/exhibitions/7592
会場PGI
http://www.pgi.ac/
住所〒106-0044 東京都港区東麻布2-3-4 TKBビル3F
アクセス都営大江戸線赤羽橋駅中之橋口より徒歩4分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅6番出口より徒歩8分、東京メトロ日比谷線神谷町駅1番出口より徒歩8分
電話番号03-5114-7935
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