鎌倉市川喜多映画記念館世界に影響を及ぼす超大国アメリカ。幾つものルーツ、コミュニティ、文化を抱える多民族国家であり、そして依然、映画大国でもあります。エンターテインメント性の強いアメリカ映画ですが、社会問題や歴史的事件を取り扱ったドキュメンタリーや社会派映画はもちろん、娯楽大作においてもしばしば社会の実像を描き、アイデンティティを顧みるための“写し鏡”となってきました。1776年に独立宣言が採択された地・フィラデルフィアで、建国から200年目に誕生した『ロッキー』は、無名ボクサーのサクセス・ストーリーを描いたスポーツ映画という域に留まらない、アメリカン・ドリームの象徴的存在となっていきます。近年ではロッキーの宿敵アポロ・クリードの息子が、アフリカ系アメリカ人のボクサーとして、また現代のブラック・カルチャーを体現する存在として『クリード』シリーズへと継承され、フィラデルフィア美術館前のロッキー・ステップを駆け上がっています。
本展では、映画を通して垣間見えるアメリカ文化 ──スポーツや音楽、食べ物や乗り物、各都市の風景や伝統などに着目し、アメリカン・シネマを幾つものテーマで横断します。ハリウッドの古典的名作からインディペンデント・シネマの重要作まで、作品ごとに視点が異なれば、見えてくる光景もきっと違ってくることでしょう。一つひとつの“ピース”を見つめ直すことで、現代アメリカへの道しるべとなれば幸いです。
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