Gallery Dalstonこのたび、金森朱音さんの個展を開催致します。金森さんは書道家としてもこれまで多くの作品を発表、展開されてきています。新たに自身の表現の幅を広げるようと、現代アートの中でも新たな活動を重ねていきたいとい想いから、美術作家としての活動をスタートさせました。
最近のシリーズの作品「生きる」という作品の中では、「生」の文字を様々な書体でいくつも書き重ねることで、人が経験を積み重ねながら人生を形作っていく過程を表現されています。また、時間とともに繰り返される生命の連続、過去・現在・未来の生命の重なりを可視化させる意味合いも含まれていると言います。
書道においては、墨の濃淡やかすれなどによって立体感を出すが、紙の上ではあくまで平面芸術にとどまる。そこから文字を立体物として存在させることを試みています。
金森さんが描く新たな作品は、単に文字を書くという行為だけではなく、例えばラスコーの洞窟壁画のように、祈るように文字と絵を書き綴り、想いを伝えていくというような原始的な行為と重なる力強い衝動を覚えます。作者の金森さんにとっても「文字を書く」という行為における筆の上下運動や緩急は、「描く」動作とは異なる凹凸を生み出すものと捉えており、その差異を通じて、「文字を書く」という身体的な行為の意味を再考していると言います。
「文字を読む」という機能的な目的から離れ、鑑賞者が自由に作品と向き合いながら、「生きる」とは何か、そして自身の「生」とは何かを今展を通して、問い直すきっかけになることを願っています。
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