和紙の繊維を使ったドローイングシリーズ《where the kiss will be tomorrow? 》では、紙と糸を等しく「線の集合体」として扱います。和紙制作における紙漉き(かみすき)の手法を独自に応用し、溶かして解いた繊維(線)を自らの手で絡め直すことで、支持体としての「表面」と描画としての「線」を同時に立ち上げます。解体から再構築に至る時間の層を複合的に重ね合わせたその画面は、大気の中で呼吸するようなひとつの膜として揺れ動きます。 それは、物理学が示す「絶えず変化する動詞的な世界」と、人間が記憶や感情を通じて捉える「名詞的な認識」の間で揺れ動く膜のような存在として、この世界のあり方を記述する試みでもあります。
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