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黒田アキ 「COSMOGARDEN 1960-2025」

MORI YU GALLERY KYOTO
終了しました

アーティスト

黒田アキ
モリユウギャラリーは5月31日(土)〜6月22日(日)まで、黒田アキ個展「COSMOGARDEN1960〜2025」を開催いたします。本展では黒田アキの新作絵画と1960年代以降の絵画を展示いたします。

黒田が1990年代前後、東京国立近代美術館の個展時に描いていたブルーの人型や明快な絵画とは対照的に、最近では、『ミノトール』を彷彿とさせる顔作品、創造の都市、ミュータント、スポンジのような形体物、隕石、スパゲッティのような線の人やうさぎ、angelなどを強烈なストロークや様々な色使いによって描いています。一見すると全く違うように見える作品群ですが、黒田アキからするとこれらはCOSMOGARDEN(宇宙庭園)においてすべて繋がっているというのです。さて、黒田の描く顔は時に円形の庭のようにも見え始め、鑑賞者は黒田が語る庭という小さな「宇宙」へと引き込まれていきます。宇宙について、黒田は次のように述べています。

「宇宙は海綿、スポンジのような形をしているといわれていて…たえず、パッサージュ、穴が開いている。…アートは結局ラビラントのようなもので、問題はそこから逃れるためにものをつくるわけなんですが、ミニマル・アートなんかは、スッキリとね、逃れられるわけです。…だけど生身の人間というのは、やはりそれじゃまんぞくできなくて、もうひとつのラビラントをつくらなければいけない」。

黒田が語るラビラント(迷宮)は、ミノトールの住む場所であり、長く描いてきた人型はそのCOSMOGARDENへの入口、バッサージュ(抜道)なのです。我々は入口を通り過ぎ、スポンジ状の宇宙にも似た迷宮の奥へ奥へと迷い込んでしまいます。そこには海が広がり、蛸や烏賊はそこに生息するミュータントの一つ。それらはまた変化して、可愛らしいキャラクターとなり、happy girl、happy boyやsuper boyといった言葉を発しながら、明るく楽しく迷宮を闊歩しています。こうしたミュータントの原型とも言えるfigureは、1960年代から描かれており、それは今なお形態を変えながら、立体としてもつくられてきました。黒田が作った9mのオブジェ「Cosmoflower」(東京ドームMeetsportホールでのアートワーク)、「マリリン」、「ジェームス」がそうです。まさに黒田のキャンバスからこぼれ落ちた隕石のように存在するそれらは、また絵画の中にも呼び戻され、形を変えて黒田のCOSMOGARDENに登場し続けます。我々鑑賞者は、迷宮を進むたびに、個々の様々な物語や記憶に似たものに出会い、喜び悲しみつつも新しい世界への出会いを求めてさらに進みます。ミュータントのようなうさぎが我々をアリアドネの糸で誘いながら、未来への世界の入口へと導いてくれるのです。黒田が描くそれぞれの要素は、COSMOGARDENの中での連続性を担保するものとして重要な役割を担っています。COSMOGARDENという発想は中心を持たず、常に変化し、すべてに繋がりつつ、未来を切り開くための多くのヒントを我々に与えてくれるのです。どうぞ御高覧ください。

スケジュール

2025年5月31日(土)〜2025年6月22日(日)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
月曜日、火曜日
6月4日〜10日は休廊
入場料無料
会場MORI YU GALLERY KYOTO
http://www.moriyu-gallery.com/index.html?l=jp
住所〒606-8357京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19
アクセス京阪線神宮丸太町駅2番出口より徒歩7分、地下鉄東西線東山駅2番出口より徒歩13分
電話番号075-950-5230
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