磯部昭子「世（よ）」

229 GALLERY

終了しました

アーティスト

磯部昭子

磯部は、広告や雑誌、CDジャケットなどの撮影を手がける傍ら、精力的に作品制作を続けているアーティストで、独特の色使いと構成によって唯一無二の世界観を築き上げています。
本展「世（よ）」は、個人的な記憶を媒介にしながら、「世」という目に見えない膜のような存在を探っていく試みです。
「私」を取り巻く小さなおまじないのような習慣や祈りの気配、家族の記憶、信じることと恐れることの狭間。写真はそれらを断ち切るのではなく、むしろ接続するための道具として機能します。
「かわいい」と「恐い」、「信仰」と「遊び」が地続きに存在する世界の、微かなほころびを捉えたいと磯部は考察します。
また、息子が夢の中で見た情景をもとにした物撮りも含まれており、子どもの語る夢の断片には、説明のつかない象徴や物語が潜んでいるのが磯部自身の記憶の底に沈む何かと共鳴するものでした。
現実と夢、親と子、過去と現在。そのあいだを交差ながら、ひとつの「世」が静かに立ち上がっていきます。
今回の展示では、ダンサーの高村月を被写体に迎え、地下に位置する229ギャラリーならではの独特な空間性を活かした撮影を行いました。また、プロジェクターによる映像作品の上映に加え、息子の夢から着想を得た静物作品や、写真の上にペイントを施した作品など、多角的な表現を展開します。

スケジュール

2025年11月1日(土)〜2025年11月17日(月)