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《Anicca: Sticks & Stones》(部分) 2024 テラコッタ © Albert Yonathan Setyawan

アルベルト・ヨナタン・セティアワン 「Anicca」

ミヅマアートギャラリー(市ヶ谷)
終了しました

アーティスト

アルベルト・ヨナタン・セティアワン
ミヅマアートギャラリーでは、6月25日(水)よりアルベルト・ヨナタン・セティアワン「Anicca」を開催いたします。

インドネシアのバンドン出身のアルベルト・ヨナタン・セティアワンは、バンドン工科大学視覚芸術専攻を修了後、京都精華大学にて陶芸の研究を続け、2020年に博士号を取得しました。現在は東京を拠点に活動をしています。2023年にジョグジャ国立美術館(ジョグジャカルタ)にて個展「Capturing Silence」、24年にはTumurun Museum(ソロ)で個展「Transitory Nature of Earthly Joy」が開催されたほか、第11回アジア・パシフィック・トリエンナーレ(Queensland Art Gallery | Gallery of Modern Art (QAGOMA) 、ブリスベン)に参加し、今年の8月からはZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM(京都)で個展が予定されるなど、国内外で精力的に作品を発表しています。

本展は、約1000ピースの陶器が4メートル四方ほどの空間に広がるインスタレーション《Anicca: Sticks & Stones》とドローイング作品で構成されます。

《Anicca: Sticks & Stones》は、作家が15年以上取り組んでいる鋳込み成形(スリップキャスティング)という陶芸技法を用い、テラコッタを素材に制作された作品です。自然物である枝と石をモチーフに、それぞれの形に合わせてひとつずつ石膏型を作ります。その石膏型を繰り返し使い続けることで、型は徐々に磨耗し、複製される形にも微細な崩れが生じ、やがて元の輪郭を失っていきます。この過程そのものが、作家にとって「時間の痕跡」であり、「制作行為が形に及ぼす変化」を可視化する試みなのです。

――陶芸家として、私が粘土を扱うなかでとても魅力を感じていることのひとつは、「時間を表現できる」という点です。粘土という素材が本来持っている自然な状態(湿度、硬度、収縮、ひび割れなど)が変化していく過程や、形を作り、整え、型取られていくプロセスのなかで、時間の痕跡をとらえることができます。

私は、多くの作り手たちが作品において追求しがちな「永続的な美的価値」とは対照的に、「無常(impermanence)」という概念を探求することに惹きつけられます。形がいかに変化し、変容し、時には制作過程そのものによって消滅していくか——その制作プロセスを露わにすることに関心があるのです。―― と作家は語ります。

「Anicca」とは、仏教における無常、すなわちあらゆる存在や現象が常に変化し続けるという教えを意味します。
素材と手仕事を通して痕跡を作品に刻み込むというこの反復的な行為は、変化し、やがて失われていく形の中に美を見出すセティアワンのその姿勢の具現でもあり、私たちがこの世界の中でどのように存在し、どのように関わっているのかを静かに問いかけます。

会場にて、作品との静かな対話をご体感いただけましたら幸いです。

スケジュール

2025年6月25日(水)〜2025年7月26日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2025年6月25日(水) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://mizuma-art.co.jp/exhibitions/2506_albert-yonathan-setyawan/
会場ミヅマアートギャラリー(市ヶ谷)
https://mizuma-art.co.jp/
住所〒162-0843 東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル 2F
アクセス東京メトロ有楽町線・南北線市ヶ谷駅5番出口より徒歩5分、JR中央・総武線飯田橋駅西口より徒歩8分、東京メトロ東西線・有楽町線・南北線飯田橋駅B3出口より徒歩8分
電話番号03-3268-2500
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