東京日仏学院アーティスト
川口哩央、小宮りさ麻吏奈、「絶え間ない混沌」プロジェクト、田中 永峰 良佑+ARCHIVE、アリー・ツボタ、superString
東京日仏学院主催による第12回「哲学の夕べ」の一環で開催する本展は、無秩序や暴力と同一視され、あるいは単なる反抗的態度として矮小化されるといったアナキズムのステレオタイプ的な見方から距離を取りつつ、その哲学および芸術実践を国家・資本主義・植民地主義・家父長制といった権力構造に対する批判の観点から捉える。さらに本展は、芸術を通じて、自律や相互扶助に基づき、権威主義に対抗する社会組織のあり方を問い直す。
本展はまた、アナキズム理論の内容を陳腐化する言説に異を唱えるとともに、無政府主義・社会主義的次元を排除するような歪められたアクティヴィズムの諸形態に疑問を呈する。 本展は、現代アートを解放・自己組織化・政治的実験の媒介として捉えるものである。文化的運動や異議の美学へと還元されることを拒みつつ、アナキズムの経験主義的性格を強調する。それは、支配の具体的経験、労働、そして共同闘争から生成される。アナキズムは帰納的な哲学であり、アナキストの運動への貢献は、制度的権力との直接的対峙から生まれる。
アナキズムの実践から、特異な政治思想が生まれ、最終的に逆説的なドクトリン、すなわちドクトリンの否定としてのドクトリンが形成される。アナキズムの根底には、自由と平等のあいだの還元不可能な均衡の探求が存在する。ゆえに、自由は平等の物質的条件なしには成立せず、また平等は、個人的および集団的自律を保持する社会的形態においてのみ実現されうる。 この観点において、芸術は社会世界の象徴的な図解として構想されるのではない。それは階級闘争に規定されつつ、むしろ抵抗と共有の実践が展開されうる実験の場を生成する。
本展は、現代芸術活動を通じて、これらの思考がいかに今日の美学的領域において展開されているかを探究するものである。日本におけるアナキズムの美学を再考することを促しつつ、経済社会的批判と政治的想像力の感覚を研ぎ澄ますことを試みる。それらは、アナキズムの本質としての革命と切り離せない。アーティストは、権力と所有の関係、物質代謝の断絶、不可視の強制の諸形態、プロレタリアの記憶、さらには非階層的な集団的組織化の可能性を問い直す。 捕食・蓄積・価値増殖といった資本主義的かつファシズム的な論理に対抗しつつ、本展は周縁を中心に対峙させ、あえて渦中へと身を投じ、皮肉ではなく無産者、無政府主義者、そして芸術の労働者から搾取された剰余価値を奪い返すことを目指す。
「我々はまさに悪党である。万人に米を、万人に科学を、万人に労働を!さらに万人に独立と正義を!」そして芸術を!
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