アンドレ・マルファン 「水墨画(1960年代〜1980年代)」

セイソン&ベネティエール
1月22日開始

アーティスト

アンドレ・マルファン
Ceysson & Bénétière Tokyoは、アンドレ・マルファンによる未発表作品の展覧会を開催できることを大変光栄に思います。本展では、1950年代から1980年代にかけての約30年にわたる制作を網羅する紙作品のラヴィ(墨流し・インクによる淡彩)を一堂に集めています。アーティストのアトリエとの緊密な協働のもとに構想された本展は、これまで一度も公開されたことのない作品群によって構成されており、30年に及ぶ創作活動を通じたマルファンの表現の変遷を読み解くことを可能にします。

本展は、墨による絵画への感受性や水墨画(墨絵)の伝統を有する日本において、特別な共鳴をもって受け止められるでしょう。黒いインクの使用、余白の重要性、そして精神の状態を伝達する身振りとしての筆致を通して、これらのラヴィと日本の絵画思想との対話が自然に立ち現れます。マルファンの厳格な抽象は普遍的な射程を備えており、言語を超えて、その構図に宿る静かな力と向き合う体験へと鑑賞者を誘います。

1925年にトゥールーズに生まれたマルファンは、24歳でパリに移り住みます。そこで第二次エコール・ド・パリの動向に触れ、1951年にアルフレッド・マネシエ、1952年にはピエール・スーラージュと親交を結びました。同年に抽象表現へと転じ、具象的表象から解放された思考を表現するための独自の語彙を早くから築き上げていきます。パレットの禁欲的な制限に加え、マルファンは作品にタイトルを与えないという姿勢を貫き、鑑賞者に完全な解釈の自由を委ねました。作品を示すのは、制作年、サイズ、技法のみです。

すべての色を内包する黒は、この絶対的な探求における主要な道具として自ずと選ばれました。その対極にある白は、空間を構造化し、光の開口部を生み出す能動的な力として機能します。この抑制の中から、暗い塊を貫く光の裂け目を伴う、強いコントラストをもった作品が生まれます。本展に集められたラヴィはまさに、影と光、空虚と充溢、緩慢さと衝動的な身振りがせめぎ合う場に生きており、そこには言葉にできない作家の内的状態が刻み込まれています。限られた手段と厳密に制限された色彩にもかかわらず、その絵画の表現性は、日本的感性とも深く響き合います。墨絵の画家が、墨の濃淡、筆の角度、圧力や速度によって筆致を調整するように、マルファンもまた、身振りと素材との微妙な関係を鋭敏に探究し、それぞれの変化に固有の感情的な強度を託しています。

絶え間ない刷新を続けながらも、光の執拗な存在は常に彼の作品の真の主題であり続けました。1960年代には激しく、動乱に満ちていたマルファンの絵画は、1970年代以降、次第にそぎ落とされ、「できるだけ少ない言葉で、ひとつのことを完全に語る」ことを志向するようになります。1980年代の最晩年の作品においては、光はほとんど瞑想的ともいえる役割を担い、二つの闇のあいだにかろうじて留まる、儚い存在として現れます。

このように、これらのラヴィは彼の作品における最も親密な側面への特権的な入口を提供し、絵画を必然として捉える姿勢、すなわち光を最後の導き手とする内的風景の顕現を私たちに明らかにするのです。

スケジュール

2026年1月22日(木)〜2026年3月7日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2026年1月22日(木) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.ceyssonbenetiere.com/ja/exhibitions/1362/andre-marfaing
会場セイソン&ベネティエール
https://www.ceyssonbenetiere.com/ja
住所〒104-0061 東京都中央区銀座5-12-6 Cura Ginza 8F
アクセス都営浅草線・東京メトロ日比谷線東銀座駅A1出口より徒歩1分、東京メトロ丸の内線・日比谷線・銀座線銀座駅A1出口より徒歩1分、JR有楽町駅銀座口より徒歩12分
電話番号03-6260-6228
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