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[画像: Anne Kagioka Rigoulet, Reflection d-4, 2024, oil and mixed media on panel, 227.3 x 486.0 cm]

鍵岡リグレアンヌ 「Undersurface」

MAKI(天王洲)
終了しました

アーティスト

鍵岡リグレアンヌ
MAKI Galleryではこの度鎌倉を拠点に活動する作家、鍵岡リグレアンヌによる個展「Undersurface」を天王洲ギャラリースペースにて開催いたします。2014年に制作を始め、現在も鍵岡の制作活動の主軸となっている水面をモチーフとした「Reflection」シリーズが10周年を迎えるにあたってその原点を振り返り、10年という月日とともに発展を遂げてきた最新作を展示いたします。

本展のタイトルである「Undersurface」には、「表面上の形象だけではない隠れた層や不可視の世界を表現したい」という鍵岡が当初から自身の作品に込める強い想いが現れています。本シリーズで作家が追求しているのは、水面に映し出される像を再現することではなく、私たちの目に見える世界の下や裏側に隠れているもの、例えば自然を形作るエネルギー、その場所に漂う雰囲気や感覚、形を持つものが本来の形を失い抽象化されていく過程で生じる動きや力を捉え、それらを絵画として画面上に生み出すことです。

そうして生み出される作品は、決して鍵岡自身の解釈や特定の物語を示すものではありません。作家は言葉や具象的なイメージによって作品が規定されることを避け、観る人の自由な想像力に働きかける絵画そのものの可能性を探究しています。どの瞬間を切り取りどんな構図で描き出すのか、どんな色彩やマチエールを与えるのか、どうしたら直接感覚に訴えるような画面が生み出せるのか、といった絵画の本質が突き詰められた作品は、エネルギーや躍動感を浮かび上がらせることを可能にします。

本展では作家が当初よりこだわり続けている色彩の追求に重点を置き、色味や彩度の押し引き、調和関係を各作品で探っています。繊細に選び抜かれた色彩に加え、グラフィートという古典的な壁画技法と布のコラージュを用いて生み出される表面のボリューム感にも一枚一枚変化を持たせ、作品のバリエーションを広げていくことを試みました。完成作品とともに展示される水彩画の習作は、鍵岡独自の色づかいと立体性が生まれるプロセスにより深く想いを馳せる機会を与えます。

さらに鍵岡はこれまでも実践してきた表面にボリュームを持たせる手法だけではなく、表面を彫り下げることでくぼみを作り出し下部に隠された層を見せるという新たな手法も編み出しました。これは作家の絵画の二次元性に対する挑戦が次のステージへと移行していることを示すものでしょう。

鍵岡はこの10年を「作品一枚一枚に向き合い、常に様々な要素を発展、変化させることを試み続けた結果ここまで辿り着いていた」と振り返ります。絵画と真摯に向き合い、その歴史、限界、可能性を追い続ける中で、鍵岡だけが生み出せる彫刻的な空間性を持った作品を創造する。その実践はシリーズ誕生から10年が経過した今もなお、進化を続けています。鍵岡の絵画に対するたゆまぬ探究心によって開かれる水面下に潜む世界のレイヤーを、どうぞ本展にてご高覧ください。

スケジュール

2024年6月22日(土)〜2024年8月3日(土)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/11093/
会場MAKI(天王洲)
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 1F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
電話番号03-6810-4850
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