京都二条城での「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展の準備期間、キーファーは特に二つの絵画《E. T. A. ホフマンのために》(2015-2024)と《er hexte eine Schlange aus dem Wasser》(2016)の呼応に強く心を惹かれました。 静かな水面に映る牧歌的な風景と、蛇の彫刻からなるこれらの絵画では、金、ウルトラマリン、黄土色、柔らかな白が使われ、二点は自然光が差し込むファーガス・マカフリー東京の展示空間で共鳴しています。 日本文化において蛇は知恵、富、変容、再生、更新の象徴であり、神々の使者ともされています。干支の「蛇」にあたる今年は、この二つの大作が初めて公開されるのにふさわしい年と言えるでしょう。
にけ
RR221