埼玉県立近代美術館戦後日本で普及した花柄の毛布を用いて、独自の立体作品や展示空間を創り出すアーティスト、江頭誠の個展を開催します。
江頭は多摩美術大学に在学中、実家の母から譲り受けた花柄の毛布を友人に「ダサい」と揶揄われた出来事をきっかけに、卒業制作で毛布と綿からなる大阪城をモチーフとした作品を発表しました。2015年、発泡スチロール製の原寸大の霊柩車を毛布で覆った《神宮寺宮型八棟造》で「第 18 回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞し、本格的に作家活動を始めます。家具や玩具などの既製品をも毛布で包み込む江頭の作品は、有機的なフォルムを立ち上げ、物や空間が持つ記憶をゆるやかに呼び起こします。かつて豊かさの象徴であった色鮮やかな装飾性が、ライフスタイルの変化により生活から姿を消しつつある中、人と物の関係性や、自身の母への愛情、時代の中で移り変わる価値観を見つめながら、江頭は花柄毛布と向き合い続けています。
「夢見る薔薇~Dreaming Rose~」と題された本展は、江頭が制作の初期から扱う毛布という素材にあらためて立ち返る機会となるでしょう。本展では新作を交えたインスタレーションを中心に紹介します。
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