千葉県立美術館産業革命の波が押し寄せる19世紀、急速な工業化によって人間が持つ創造性が奪われていくことに反発したイギリスのウィリアム・モリス(1834-1896)とその仲間たちは、中世の手仕事によるものづくりに立ち返り、生活と芸術の統合を目指した活動を始めます。モリスらの活動に感化された多くのデザイナーや建築家たちは、「アーツ・アンド・クラフツ運動」と呼ばれる一連の運動を発展させ、やがてその影響はイギリスを超えて世界各地へと広がります。特にアメリカでは、ガラス作品の製造で知られるティファニー・スタジオや、ものづくりにおける機械利用の重要性を唱えた建築家、フランク・ロイド・ライト(1867-1959)などを中心に、多様な広がりを見せました。
本展覧会では、アーツ・アンド・クラフツ運動を牽引したイギリスとアメリカの作家たちによるテキスタイル、壁紙、家具、ガラス製品、宝飾品、書籍など約140点を通して、今日のライフスタイルにも大きな影響を及ぼしている「優れたデザインと質の高いものづくりが生活を豊かにする」というアーツ・アンド・クラフツの理念と、その広がりをご紹介します。
また、千葉県立美術館の独自企画「千葉とアーツ・アンド・クラフツ」では、千葉県立美術館が所蔵する約2800点の作品のうち、浅井忠をはじめとする同運動の影響を受けて活躍した県ゆかりの作家による作品を紹介するほか、研究員による論考集を刊行するなど、同運動が千葉県の文化芸術に及ぼした影響について読み解きます。
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