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[画像: 三沢厚彦 Painting 2022-37 2022 acrylic on canvas 60.7 x 72.9 cm]

三沢厚彦 「Chill Out」

西村画廊
終了しました

アーティスト

三沢厚彦
コロナ禍の不可測で抑制された生活の反動から、見慣れた外界の隅々に感応し知覚が拡張するような体感を覚えた三沢は、今の心境を言葉で表すなら、まさに“Chill Out”(=冷静になる、落ち着く)であるといいます。平静なまま感覚が冴え渡るようなその意識は三沢が制作する作品、特に絵画作品にも顕著に反映され、たとえば色鮮やかに戯れる暖かな光、降るような星を湛えて広がる澄んだ空、伸び伸びと起伏する山々、草むらや山上で覚醒しながらリラックスするクマの姿として現れました。そこには従来の三沢の絵画にはほとんど見られなかった物語性が豊かに湧出しており、森のざわめきや風の音さえ聴こえてきそうなほどに自然の気配が立ち込めています。
なお、外出制限が続く中、三沢はアンビエント・ミュージック(=環境音楽)をそれまで以上に聴き込むようになりましたが、その中でもよく聴いていたのが1990 年の発売当時に愛聴していたThe KLF のアルバム“Chill Out” で、アメリカ南部の神話的な夜の旅を表現したその音楽は三沢の外の世界への渇望をしばしば潤してくれました。

1961 年京都府に生まれた三沢は、1989 年に東京藝術大学大学院修了後、2000 年に木彫彩色による動物彫刻“ANIMALS”シリーズを制作開始、同年に開催した西村画廊での初個展で発表しました。同展は大きな反響を呼び、翌年三沢は第20回平櫛田中賞を受賞します。また、2007-08 年に平塚市美術館など5 館で巡回展を開催したのを契機に、これまで30以上の美術館で個展を催しており、旺盛な活躍を継続しています。2019 年には中原悌二郎賞を受賞しました。

三沢は、巨大なゾウやキリンから小さなヤモリやネズミ、ユニコーンやキメラのような架空の存在まで、多種多様な動物を等身大の姿で樟から彫出します。それら“ANIMALS” は、謎めいた表情を持ち、凛然とした清々しい雰囲気を宿しており、作家の行為性が裸出した表面の鑿痕も相まって、思わず触れたくなるような親密さ、量感あふれる独自の存在感を放っています。また、我々の内側に在る「動物」という概念をそのまま抽出したかのようにシンボリックな造形は、それゆえ多様な解釈を許し、底知れない不可解さと強い魅力を発して、観者に一過性で終わらない深い余韻をもたらします。

本展では、三沢の新作のペインティング約20 点とセラミック約10 点を披露します。パンデミックにおける三沢の様々な経験が純化された、直感的で溌剌とした触感性をまとう最新作に、どうぞご期待ください。

スケジュール

2022年11月8日(火)〜2022年12月10日(土)

開館情報

時間
10:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
備考
11月21日は開廊
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nishimura-gallery.com/三沢厚彦-chill-out/
会場西村画廊
http://www.nishimura-gallery.com
住所〒103-0027 東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
アクセス東京メトロ銀座線日本橋駅B4出口より徒歩2分, 東京メトロ東西線日本橋駅C4出口より徒歩2分, 都営浅草線日本橋駅D4出口より徒歩2分, JR東京駅八重洲北口より徒歩8分
電話番号03-5203-2800
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