ふげん社このたび、ふげん社は、2026年5月8日(金)から5月31日(日)まで、藤岡亜弥個展「ベルギーを歩く」を開催いたします。ふげん社では3
回目の個展開催です。
藤岡亜弥は1972年広島呉市生まれの写真家です。被爆地としての歴史と現在の広島をゆるやかに繋げ、社会と個人の関わりを写真の中に見出した『川はゆく』(2017)が伊奈信男賞、林忠彦賞、木村伊兵衛写真賞を受賞し、代表作として知られています。加えて、いくつかの藤岡作品の重要なテーマの一つとして「旅」が挙げられます。日本大学芸術学部写真学科卒業後、アジアやヨーロッパ、ブラジルへの旅を続けた作家は、ヨーロッパ各国のさまざまな街と人との出会いと別れを綴った『さよならを教えて』(2004)でビジュアルアーツフォトアワードを受賞。2007年から約5年間にわたるニューヨーク滞在の日々を虚実入り混じるテキストと共に綴った『Life Studies』(2025)を昨年上梓しました。
本作「ベルギーを歩く」は、今から約20年前の2005年に、思いがけない友人からの誘いで、ベルギーを300kmにわたって横断するピースウォークに参加することになった10日間を写真と言葉で記録したシリーズで、今年1月に発売された雑誌『写真』vol.8(ふげん社、2026)で初公開されました。このピースウォークは、核兵器廃絶を目指すための国際的な平和活動で、出発地のイペールは、化学兵器が使用された最初の場所として広島と同様に「平和都市」と呼ばれる町でした。写真には、レインボーフラッグを携え歩く一行や、田園風景に佇む牛、一行を眺める住民、ダイインや核廃絶のためのパフォーマンスが記録されていますが、過酷な道中では「途中から写真を撮ることなどどうでも良くなるほど」さまざまなイベントに巻き込まれ、「自分がなにをやっているかもわからず、平和運動をしてしまった」と作家は振り返ります。このピースウォークの10年後、藤岡は広島に戻り、やがて『川はゆく』へと結実することになります。知らず知らずのうちにハプニングに巻き込まれ、カメラの前に「事件」を呼び込んでしまう作家の資質が如実に現れているシリーズであると同時に、一見「平和運動」とはかけ離れているゆるい動機でピースウォークに参加するそのあり方は、平和と戦争について考えることの敷居を下げ、間口を広げる行為でもあるように見えます。
会期中には、さまざまな分野で活躍する女性アーティストである小林エリカさんと柴崎友香さんをゲストにお迎えし、「平和と表現」「写真と物語」という異なるテーマでギャラリートークを2日連続で開催します。
[関連イベント]
1. ギャラリートーク①
日時: 2026年5月23日14:00〜15:30
登壇者: 小林エリカ(作家、アーティスト)
料金: 1200円
2. ギャラリートーク②
日時: 2026年5月2日14:00〜15:30
登壇者: 柴崎友香(小説家)
料金: 1200円
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。
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