TALION GALLERY百瀬文は、見ることと見られること、語ることと語られることの非対称性を映像によって自己言及的に問い直し、主体の揺らぎや不確かさを露わにするとともに、他者との交感が空転しつつも発現するコミュニケーションの多様なあり方を示す作品を制作してきました。その場に存在するにも関わらず無いものとされてきた声、それらを生み出す構造を扱い、近年はジェンダーやセクシュアリティをめぐる問題にも明示的に取り組んでいます。
本展では、2014年6月に撮影された映像フッテージをもとに、この10年、あるいはこれからの10年の姿について問いかける場を共有します。その映像には、群衆のなかで役務をまとった公的な身体と私的にひらかれた身体とが、シュプレヒコールの声のなかで、ひとつの相貌に折り重なって映し出されます。そこにあらわれるのは、現在からひととき隔てられた社会や個人のひとつの像ではなく、いままさに現実を成そうとする、それぞれの希いや求めを持って日々を生きる人々のビジョンです。
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