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kissing on the grass, 2025 Oil and acrylic on canvas 116.7 x 91.0 cm

山本亜由夢 「Travel the topics」

MAKI
終了しました

アーティスト

山本亜由夢
MAKI Gallery はこの度、国内外の主要アートフェアやグループ展を中心に作品発表を行ってきた山本亜由夢の初個展「Travel the topics」を表参道ギャラリースペースにて開催いたします。

“親密” と “不和” と相反するキーワードをテーマに、単に目に映る色彩だけではなく作家自身の感覚を重視した、鮮烈かつ複雑に組み合わされる色使いで注目を集めています。その絵肌は「原色を多用した強烈な色彩と、激しいタッチ、理知的ではなく、感覚を重視し、色彩はデッサンや構図に従属するものではなく、芸術家の主観的な感覚を表現するための道具として、自由に使われるべきである」としたマティスやブラマンクに代表されるフォーヴィズムを連想させます。しかし、大胆な色使いと複雑な構図により余白なく埋め尽くされていながらも、その柔らかく温かみがあり情緒あふれる表現は、ナビ派の作家ピエール・ボナールの作品に通ずる部分があるかもしれません。山本の幻想的に入り組んだイメージは、混ざり合う感情を描写し、幻想的な空間を生み出しています。

山本の色鮮やかな作品には、室内風景、動植物などのモチーフと共に豊かな自然に囲まれた恋人同士などが描かれています。至福の一時を描いているように見えますが、矛盾する様々な感情や物語が無数に潜み、親密と不和、光と影、整然と雑然など、相反する要素がひとつの画面に共存しています。画面作りも同様に油絵具とアクリルを用いて、厚塗りと薄塗り、光沢色とマット色など質感を多様化することにより、様々な表情が共存するように描かれています。また、同じ空間内に違う場所や時間を同時に存在させており、現実の空間に準じない描き方を多用しています。完成された作品はどれも多面的な画面構成により具象と抽象の間を行き来し存在感にあふれ、鑑賞者を山本の世界観へと引き込みます。

男女が仲睦まじく寄り添う “親密” な様子を描きながらも不機嫌そうにそっぽを向き合う “不和” な姿も同時に混在させていますが、山本の描く世界の本質は根本的に “親密” であり人々や動植物との関わり合いによる温もりを求めています。

「私は人と関わるのが好きで、同時に人と関わるのがとても怖いです。どうでもよいかもしれないし、全員の全てを知りたいとも思えます。人が気になって仕方ないのに......」
と山本が作家ステートメント語っていることからもそのことが読み取れます。“不和” に見えるかもしれない光景は客観的な視点や人と関わりあうまでの心理的感情によるものが多く、逆説的に “親密” を引き立たせる重要な要素となっています。

本展は「Travel the topics」と題されています。様々な男女の姿、室内のオブジェクト、動植物などの題材や重層で幻想的な色彩を巧みに用い、「肯定的に伝えたいことを遠回しに伝えてしまう」と語る山本の言葉どおり、鑑賞者はそれをひとつひとつ旅するように巡らされ、一枚一枚色彩のベールをめくるように遠回りさせられながら奥へ奥へと誘導され、山本の伝えたい感情やメッセージへと辿りつきます。山本の創り出す物語へ没入させられ、いつのまにか作品に対して “親密” になっていく感情に気付かされるかもしれません。

本展のラインナップは、鑑賞者を体感的に魅了する大作から主題にフォーカスした力強い小品に加え、山本のアトリエを再現させるような多数のドローイングで構成されたインスタレーションもご覧いただけます。本展全体を通して山本が創り出す “親密” な世界観を感じ取っていただければ幸いです。

スケジュール

2025年2月15日(土)〜2025年3月27日(木)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/11976/
会場MAKI
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-11
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A2出口より徒歩2分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩6分、JR山手線原宿駅東口より徒歩10分
電話番号03-6434-7705
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