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キャサリン・ジウォン・ギム + ピーター・レグホーン 「プラスチックメモリ」

GALLERY MUGEN
終了しました

アーティスト

キャサリン・ジウォン・ギム、ピーター・レグホーン
Plastic Memory は、キャサリン・ジウォン・ギムとピーター・レグホーンの二人が、日本のポップカルチャーにおける象徴的な存在やつながりをノスタルジア、歴史、大量生産がいかに形づくるかを探求する共同展示です。本展では、感情・記憶・大量生産が私たちの個人的・集合的アイデンティティにどのように作用するかを問いかけます。

キャサリン・ジウォン・ギムは、アトム、メカゴジラ、ピカチュウといった愛されるキャラクターを色鉛筆、リソグラフ版画、アクリル、トランスペアレンシーフィルムで再解釈します。彼女はそれらを資本主義的欲望、文化の商品化、「オーセンティシティ(真正性)の神話」の象徴として扱います。層を重ね、繰り返されるイメージは、変異や複製を、イメージが時代や市場を超えて進化する自然な延長として強調します。ディアスポラ的視点を通じて、ギムは観客に「ノスタルジア」がいかに後期資本主義下での coping mechanism(対処法)となり、消費が意味やアイデンティティ構築の支配的な様式となっているかを考えさせます。

代表作《バナ-モン》では、彼女はピカチュウのフィギュアを壁にテープで貼り付け、マウリツィオ・カテランの《The Comedian》を想起させます。この遊び心ある引用は、グローバル化したアート市場における価値や意味の不条理を批判し、観客を「ブラインドボックス」的な参加を通して「ペイ・トゥ・プレイ」に招き入れます。400円のカプセルから620万ドルの前例に至るまで、ギムは消費そのものをパフォーマンスとして演出します。

ピーター・レグホーンは、より個人的な視点から同じ領域にアプローチします。彼の絵画は、日本のアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』(アメリカでは大幅に編集され『Battle of the Planets』として放送)を参照しています。幼少期に出会ったこの作品は、彼の人生における芸術探求のきっかけとなりました。彼はプラスチック製フィギュアの写真を個人的記憶や印象、シンボルと融合させ、現実と回想の境界を曖昧にする多層的な物語を構築します。

レグホーンの関心は、ノスタルジックな題材だけでなく、それを生み出す様々な錯視的プロセスにもあります。彼の作品は、機械的精密さと人間が作るイメージの避けがたい不完全性との緊張関係を掘り下げます。アーティストは機械ではなく、機械はアーティストではない──しかしその境界はますます曖昧になりつつあります。機械もまた故障し、レグホーンは機械の不具合と、機械を模倣しようとするアーティスト自身の試みに重ね合わせます。この「人間と機械、双方に内在する不完全性の緊張」が彼の作品を特徴づけています。

二人は観客を、自らと文化的アイコンとの関係──記憶、誤記憶、あるいは新しい発見──を問い直す場へと誘います。作品群は、意味がいかに「イメージと鑑賞者」「歴史と神話」「自己とシステム」の間で常に交渉されているかを浮き彫りにします。Plastic Memory の核心にある問いはこうです。コピーがコピーを生む世界において、馴染みあるものを再訪するとはどういうことか。そして、オーセンティシティはそもそも存在したのだろうか。

スケジュール

2025年10月4日(土)〜2025年10月31日(金)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.ryozanpark.com/event-space/event-list/eid11766/
会場GALLERY MUGEN
https://www.ryozanpark.com/event-space/access/gallery-mugen/
住所〒170-0002 東京都豊島区巣鴨1-9-1 グランド東邦ビル2F
アクセスJR山手線巣鴨駅南口より徒歩3分、都営三田線巣鴨駅A1出口より徒歩4分
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