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[画像: 吉岡千尋〈lemon〉シリーズより|顔料、漆喰、モルタル、寒冷紗、パネル(ストラッポ技法)|各33.3 x 22 cm|2023年|撮影: 表恒匡]

吉岡千尋 「griglie」

ARTCOURT Gallery(アートコートギャラリー)
終了しました

アーティスト

吉岡千尋
この度、アートコートギャラリーでは吉岡千尋の個展を開催します。展覧会名「griglie」は、イタリア語で「格子」、「グリッド」を意味する「griglia」の複数形表現です。

庭先に咲く薔薇や青空に映える紅葉、イコンの聖人が纏う衣装など、吉岡は日常や旅先で出会った事物や光景を、グリッドを引いた画面に「写し描く」という姿勢で絵画を制作しています。その過程で浮かび上がる現実と認識のズレや記憶の空白を省略や補足といった控えめな筆の身振りに置き換え、あるいは、幾種類もの同系色の顔料を用いて記憶の中に漂う色を探るとき、吉岡の絵画制作の主題となっているのは、彼女と対象の間に結ばれる親密でありながら埋まることのない距離、掴み切れない空間そのものだと言えます。

実体とイメージ、作家が感知した両者の差異に息づく「伝わらなさ」は、グリッド上に丁寧に重ねた色彩と繊細なタッチ、さらには、イリュージョンと平面性、地と図、時間性といった絵画をめぐるさまざまな問題によって多層的に包まれて鑑賞者へと差し出され、彼/彼女らの想像力によって補われることで、より豊かなイメージとなって漂い続けます。

「正面に見えるこちらと同じものが、全く一緒というわけではなく、少しズレて存在する。」
ものを見るとき、絵を描くとき、こうした存在のあり様に魅かれるという吉岡にとって、グリッドは、「写し描く」行為においてイメージの全体像と「ズレ」を共存させながら、対象と画面と自らの距離を一定に保つための基準線であり、絵画の存在を可能にしていながらそれ自身は姿の見えない透明な被膜に鑑賞者の意識を繋ぎ止める方途でもあります。

2017年以来5年ぶりの個展となる本展では、吉岡の絵画の拠り所であり続けてきた「グリッド」に改めて焦点を当てるとともに、「色」という不確かな存在を具現化・共有することを目指して、長年継続している《sub rosa》シリーズに加え、檸檬や石畳など新たなモチーフによる新作群をご紹介します。

スケジュール

2023年11月11日(土)〜2023年12月16日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
土曜日は17:00まで
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.artcourtgallery.com/exhibitions/15543/
会場ARTCOURT Gallery(アートコートギャラリー)
https://www.artcourtgallery.com
住所〒530-0042 大阪府大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F
アクセスJR環状線桜ノ宮駅西口より徒歩8分、地下鉄谷町線・堺筋線南森町駅9番出口より徒歩10分、JR東西線大阪天満宮駅9番出口より徒歩10分
電話番号06-6354-5444
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