CHODEMI (朝鮮大学校美術科)このたび『私へ座礁する』では鄭梨愛が2015年〜近年に制作した絵画、映像、インスタレーション作品を展示いたします。
鄭は、2011年〜2016年頃まで自身の祖父を対象に絵画作品の制作を行ってきました。そして2015年に祖父が亡くなりその数か月後、映像作品「ある所のある時におけるある一人の話と語り聞かせ」を制作し発表しました。
この作品は、生前祖父が親の墓参りのため韓国へ訪れたときの記録映像をもとに制作したものです。この訪韓に同行した母(=娘)が祖父(=父)を撮り、その記録映像を鄭が編集しました。それ以降、制作の関心は次第に絵画作品で取り組んでいた「肖像」から、その背後に広がる「個人史」へと変化していき、扱うメディアも映像やインスタレーション作品など変化していきました。祖父の個人史を扱う作品のほかに、墓地まで棺を担ぎ運ぶときに歌う韓国の伝統的な葬列歌「喪輿歌(サンヨソリ)」、朝鮮の歌「鳳仙花」などを引用した作品の制作も行ってきました。
本展では映像作品「ある所のある時におけるある一人の話と語り聞かせ」からはじまり、祖父の死後である2015年以降に手掛けた作品たちに着目します。
残された写真、映像、言葉、記憶などから、過去の出来事たちが現在に想起され作家自身の経験へと置き換えられる感覚を、本展ではタイトルとなっている「座礁」と言い表します。時間や場所を超えいまに辿り着いたその「座礁」にどう対峙するかを問いながら、現在に連なる思考を見出す試みを行います。
会場: 美術棟1階展示室
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