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クリストファー・ローデン 「Once Upon / Over」

TAV GALLERY
終了しました

アーティスト

クリストファー・ローデン
国際的に注目を集めるジュエリーデザイナー/仕立て屋、クリストファー・ローデンによる個展「Once Upon / Over」を開催いたします。ローデンは歯科医師の家庭に生まれ、身体の「欠落」と「補完」をテーマにした作品を生み出してきました。ジュエリーを通して、身体を超える感情的な存在を築くことに取り組み、観る者に深い思索を促します。

本展タイトル「Once Upon / Over」は、物語の始まりを意味する「Once Upon」に加え、物語が終わった後に残る空虚や余韻、変容を象徴する「Over」を掲げています。このタイトルは、物語の力学──構築され、抑圧され解放へと向かう過程──を反映しています。

ローデンの作品は、物語の中で語られすぎた理想から逸脱し、その影に潜む孤独や喪失と向き合わせることを目的としています。ローデンが描く「理想」を、もう一度手作りで再構築する行為は、呪いのように残された物語を私的な神話へと変換する儀式でもあります。

本展では、身体性と感情の境界を問い直し、ジュエリーやぬいぐるみの彫刻作品、インスタレーションを通じて、ローデンが長年探求してきたテーマ「憧れ」「記憶」「理想」を物質化した作品群が発表されます。

本展で発表されるジュエリー作品群は、童話のプリンセス的なモチーフを取り入れながら、それらに潜む「閉じ込められた記憶」を封印する装置として表現されています。ガラスドームに封じられたバラや、眠れる森の美女のベッドリングといった作品は、「保存」と「変容」の二義的な意味を内包し、ジュエリーという最も身体に近いメディウムを用いて感情の記録として視覚化されます。

また、ぬいぐるみの彫刻作品では、身体の一部を縫い合わせて修復と破壊を繰り返すことで、異形の身体を再構築しています。本来は無垢で愛着を抱くべき存在であるぬいぐるみが、理想像や恐れを投影された装飾となり、装飾がいかに感情の延長線上にあるかを示しています。これらの造形は、不気味でありながらも美しさへの欲望を浮き彫りにし、観る者に強い印象を与えます。

本展「Once Upon / Over」では、ファッション、身体、装飾、記憶といったテーマが交錯し、ジュエリーが単なる美的な表象にとどまらず、感情や願望を保存するための「封印」の器として機能する様子が描かれます。私たちは、かつての物語を越えて、何を引き受け、何を手放すべきかを問う、クリストファー・ローデンの新境地に、ぜひご期待ください。

スケジュール

2025年7月18日(金)〜2025年8月9日(土)

開館情報

時間
15:0021:00
休館日
日曜日、月曜日

オープニングパーティー 2025年7月18日(金) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場TAV GALLERY
http://tavgallery.com/
住所〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F
アクセス東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩9分、東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5番出口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1a出口より徒歩11分
電話番号080-1231-1112
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