「《城市図騰 City Patterns》錦源興による台湾プリントテキスタイル」

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2020年より錦源興は、百年の織物の歴史と現代の印花デザインを融合し、台湾文化を再解釈するキュレーションプロジェクト「城市図騰」を展開しています。街並みや建築物、日常の道具から要素を抽出し、具象的なモチーフへ転換することで「見える台湾」の視覚言語を築いてきました。これまでに台湾、マレーシア、タイで20ヶ所以上巡回し、テキスタイルアートを通じて台湾の物語を世界に届けています。

「城市図騰」展は、錦源興の代表的な印花デザインを軸に、会場ごとの空間特性にあわせて独自の演出を行います。布の質感を通じて、台湾各地の文化的な肌理（きめ）を体感できる構成となっています。また、一部の会場ではポップアップショップや限定商品も展開し、鑑賞体験を「触れて‧持ち帰れる文化体験」として、台湾の美学を日常に取り入れる提案を行っています。

ギャラリーから旅館、百貨店の空間から古い街角まで──「城市図騰」はさまざまな場所をめぐり、それぞれの場の呼吸とともに、印花が新たな姿を見せてきました。現地の特性に応じて展示構成や布の使い方を調整し、テーマ設計‧ガイド体験‧商品展開を組み合わせながら、その土地の物語を語る展覧会の風景をつくり出しています。

「城市図騰」の展覧会では、布やデザインを展示するだけでなく、私たち自身が空間に足を運び、来場者との対話を大切にしています。創作の背景を語り、各地の暮らしの記憶に耳を傾けながら、講演会やガイドツアー、会場での交流を通じて、展覧会を双方向の文化的な出会いの場にしてきました。そうした積み重ねが、私たちを台湾、そして世界の多様な風景へと近づけてくれます。

「城市図騰」は、柔軟に展開でき、かつ地域に根ざしたキュレーションプロジェクトです。今後も国内外での巡回展を通じて、その歩みを広げていきます。文化施設、旅宿空間、ブランドパートナー、そして台湾文化に情熱を持つすべての皆さまとともに、この印花の旅を続けていけたら幸いです。

スケジュール

2025年10月4日(土)〜2025年10月19日(日)