Pace 東京では、2025年7月17日から8月23日まで、アメリカ人アーティストのクレス・オルデンバーグの展覧会「いろいろ」を開催いたします。本展では、1960年代から2000年代半ばにかけてオルデンバーグが制作したシリーズ作品の中から、彫刻と版画をご紹介いたします。この活気あふれる回顧展は、オルデンバーグの創作における多様性に焦点を当て、類を見ない彼の風変わりな世界観に浸りながら、日本文化との共鳴や接点を見出していただける機会となります。本展は、Pace の CEOであるマーク・グリムシャーと、マーチャ・オルデンバーグによってキューレーションされたもので、Pace の創立65周年記念の一環として企画されたものです。マーチャ・オルデンバーグは、オルデンバーグと妻で⻑年のコラボレーターであったコーシャ・ヴァン・ブリュッゲンとの間の娘で、オルデンバーグとヴァン・ブリュッゲン両氏の財団代表です。また、本展は当ギャラリーがオルデンバーグ財団、ヴァン・ブリュッゲン財団、そしてオルデンバーグ&ヴァン・ブリュッゲン財団をグローバルに代表することを発表して以来、初の大規模展覧会であり、両作家が共に歩んだレガシーと、個々の功績を世界にに広く伝えるべく開催するものです。
一方、大型の彫刻作品では、アルミニウム、プラスチックチューブ、キャンバス、フェルト、フォームで制作された鮮やかな⻩色のねじれたトランペット、《Tied Trumpet》(2004 年)が出品されます。また、キャンバスにシルクスクリーン印刷を施して縫製された 9 つのパーツからなる《Miniature Soft Drum Set》(1969 年)も展示されます。さらに注目すべき作品として、アルミニウムとマホガニー材で作られた《Knife Ship 1:12》(2008 年) があります。これは、オルデンバーグとヴァン・ブリュッゲンが 1985 年にヴェネツィアで行った伝説的なパフォーマンス《Il Corso del Coltello》の一環として発表した巨大な《Knife Ship》を、1/12 のスケールで再構成した作品です。この物語性のあるサイトスペシフィックな作品は、キュレーターのジェルマーノ・チェラント、建築家のフランク・ゲーリーとのコラボレーションによって実現したもので、スイスアーミーナイフの形をした船がヴェネツィアの運河を航行するという試みでした。
また今回、この《Knife Ship》をニューヨークのグッゲンハイム美術館のイメージの上に重ねたスクリーンプリント(ヴェネツィアでのパフォーマンスに先駆けて 1976 年に制作されたもの)も展示されます。このほか、アイスクリームの形でアルファベットを描いた《Alphabet in Form of a Good Humor Bar》(1970 年)や、アルファベットの「Q」を海辺にそびえる別荘に見立てた《The Letter Q as Beach House, with Sailboat》(1972 年)、そしてそれぞれが四季を表現した《Apple Core》(1990 年)シリーズの版画も展示されます。 オルデンバーグは、イメージを一つのメディウムから別のメディウムへと変換する反復的で柔軟なプロセス、またそのプロセスを通して数えきれないほどの変容の可能性を示唆することで、芸術の可能性を拡張し、鑑賞者に目の前にある作品をもう一度見ることを促しました。本展に集められた作品群は、彼が類まれな才能で日常を異化し、ありふれたものに魔法や驚きを吹き込んできた様子を物語るでしょう。
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