長谷川町子美術館・長谷川町子記念館長谷川町子は昭和39年(1964年)、海外旅行が自由化されると共に、その年の7月にはヨーロッパ旅行へ出かけています。その後も外遊は続き、あるときは姉と二人、あるときは母親をつれて、あるときは妹とふたりと、生涯で巡った国は20数ヵ国にも及びます。全ては町子の未知なるものへの好奇心のなせるわざでありました。町子が姉の毬子と美術品の蒐集を始めたのが昭和30年頃からで、それらの美術品の中には海外の風景をモチーフにした作品も少なくありません。今回の収蔵コレクション展「異国の風景」では、画家が自ら外国に取材した作品や、異国の地に思いを馳せて描いた作品などを収蔵作品の中から選りすぐり、展示紹介いたします。中国の大自然を描いた東山魁夷「江畔放牧」、加山又造「彷北宋青緑山水」、シルクロードに取材した平山郁夫「月下らくだ行」、「アフガン人」、九寨溝を描いた楊紹良「聚寶天池」、インドに取材した荒井孝「光采」、ヴェネツィアのゴンドラを描いた松村公嗣「舟唄」、フランスで絵を学んだ荻須高徳「ポスターのあるベルヴィール風景、パリ」やユトリロの「マロールの教会」など、魅惑的な異国の風景が並びます。
今年からようやく規制も緩和され、海外旅行にも自由に行けるようになりました。久しぶりにリフレッシュされて帰国された方も多かったことでしょう。まだなかなか海外へは…という方々にも、今回の収蔵コレクション展「異国の風景」が、異国の地への憧れと感動をもたらしてくれるものになることを願っております。
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