gallery fugallery fuでは、2026年6月24日(水)から7月5日(日)まで、「構想計画所+前野智彦|Weathering Project」を開催します。
構想計画所は、2021年より毎年gallery fuで新作を発表し続けている活動体です。
タイトルの「Weathering」は「風化」を意味します。本展では、構想計画所所長・前野智彦が、花崗岩とその風化物である真砂土や粘土(カオリナイト)を用いて制作した《歪な球体》を中心に、構想計画所によるインスタレーションを展開します。
前野は広島で生まれ育ちました。広島の山々や島々に広く分布する花崗岩は、一見すると堅牢な岩石ですが、長い時間のなかで風雨や温度変化を受け、真砂土や粘土へと姿を変えていきます。本展に登場する《歪な球体》は、その花崗岩と風化物を再びセメントや透明樹脂で束ね直した彫刻です。
しかし、それは失われたものを元に戻す試みではありません。ひとつの球体の内部では、岩石の時間、風化の時間、人為的な接合の時間が異なる速度で進み続けています。作品は完成した形としてそこにあるのではなく、いまこの瞬間も静かに変化し続ける出来事として存在しています。
会場に並ぶ《歪な球体》は、ときに身体の断片のようにも、集積した生命のようにも見えるかもしれません。また、遥かな地質学的時間のなかで生成と変容を繰り返してきた地球の姿を想起させるかもしれません。
私たちの身体も都市も、自然も記憶も、固定されたものではなく、絶えず変化し続ける過程のなかにあります。本展は、その変化の只中に立ち現れる時間の層や物質の記憶に触れる機会となるでしょう。
本展が提示するのは、風化を「失われていくこと」ではなく、物質や記憶が異なる時間を抱えながら変化し続ける過程として捉える視点です。
まずは自由な想像力で作品に向き合っていただければ幸いです。
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