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「Dynamo:エネルギー、変容、そして運動」

STANDING PINE 東京
終了しました

アーティスト

チュアン・ペイシン、ツーエンター、ベサ・サラサン、河合政之、ペ・ラン
STANDING PINEとChi-Wen Galleryは、MORI YU Galleryの協力のもと、台湾、日本、スイスからの5名のアーティスト(ツーエンター、チュアン・ペイシ、ベサ・サラサン、ペ・ラン、河合政之)によるグループ展「Dynamo:エネルギー、変容、そして運動」を開催いたします。本展は、2023年のArt Collaboration Kyoto(ACK)での共同出展に続き、両ギャラリーによる継続的なコラボレーションの一環として企画されました。

展覧会タイトル「Dynamo(ダイナモ)」は、運動を電力に変換する装置に由来しています。そして、出展作品はいずれも、「エネルギー」「変容」「運動」といった概念を探求しており、時にはテクノロジーを通じて、時には身体、光や音の変化を媒介として、さまざまな角度からこれらのテーマに取り組んでいます。

また、アートを完成された静的な対象としてではなく、変化と変容のアイデアによって形作られたものとして捉える本展では、リアルタイムで進化したり、環境に呼応したりするジェネレイティブ(生成的)やキネティック(動的)な作品に加え、ある瞬間をとらえる作品や、継続的な力の作用をプロセスとして刻んだ作品を紹介しています。

さらに本展は、参加アーティストが「変容」というテーマに対して、それぞれ異なるアプローチを展開しています。光のうつろい、デジタル・システム、あるいは身体そのものを介して、目に見える変化とともに、目には見えない根源的なエネルギーをも内包する作品群が、互いに共鳴し合いながら、空間全体に変化のエネルギーを響かせる場を創出しています。

河合政之による「Crystallization, 1–9」および「Video Feedback Configuration No.12 Generator Cuboid Mirrored Display 1」では、アナログ映像のフィードバックと電子回路という二つのプロセスが交差しながら、予測不能で絶えず変容を続ける映像が生成されます。これらの作品はデジタルプログラミングに頼るのではなく、「帰還する電子の無限の流れ」を活用することで、絶え間ない運動と変化を備えた、有機的なシステムとして立ち現れます。

「繊細さ」と「流動性」が軸となるペ・ランのキネティック・スカルプチャー「LED n6」「LED n23」は、ゆっくりと動くフィルムと変化する光によって、繊細で絶えず変化し続ける美を体現し、鑑賞者を静謐な時間の流れへと誘います。

ベサ・サラサンが音楽家マルクス・ガンツおよびフラウンホーファー研究所とともに開発した「SPIRALPROJEKT 1983–2024」は、三次元のスパイラルと音楽をリアルタイムでアニメーション化することで、生成的マルチメディア表現を具現化する作品です。1980年代に構想され、現代のテクノロジーによって実現された本作は、アルゴリズムを用いて無限のバリエーションを生み出しながら、継続的な創造と絶え間ない変容という本展のテーマを象徴しています。

ツーエンターが手がける「Virtual Lineage Taiwan」と「DATA-VERSE U # Calendar」は、デジタル情報の流れを視覚化するものです。「Virtual Lineage Taiwan」では人工知能を用いて台湾のインターネット・インフラの歴史を再構築し、デジタルの記憶がいかに形成され、また喪失されていくかを探ります。一方、「DATA-VERSE U # Calendar」は、インターネット上のリアルタイムデータにより日々更新されることで、従来のカレンダーを「生きた人工物」へと変容させます。

作家自身の身体をスキャンし仮想モデルへと変換することで、デジタル化の過程において何が得られ、何が失われるのかを考察するチュアン・ペイシンの「The Method of Entry」は、存在と不在のあいだの曖昧な境界や、物理的エネルギーがデジタル上の潜在性へと転換されるときに生まれる新たな可能性を探ります。

本展は、電子的、デジタル的、身体的、概念的といった多様なエネルギーが、各作品においてどのように流動し、交錯しているのかを鑑賞者に問いかけます。また、参加作家たちはいずれも、運動や変容、そして継続的な創造のプロセスに取り組み、完成された作品だけでなく、それを形作る動的な力そのものへと、観る者の意識を向けさせます。

「Dynamo」は、テクノロジー、記憶、そして身体が絶えず変容し続けるこの時代において、美術がいかにその流動性を映し出すかを見つめ直すためのプラットフォームです。そして、本展は、アートをエネルギーとアイデアの循環に能動的に関与する存在として位置づけているのです。

[関連イベント]
河合政之によるライブパフォーマンス
日時: 5月17日(土)16:00〜(約30分)
料金: 1000円 *事前予約が必要です。
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2025年5月17日(土)〜2025年6月14日(土)

開館情報

時間
12:0018:00
休館日
日曜日、月曜日、祝日

オープニングパーティー 2025年5月17日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://standingpine.jp/exhibitions/171
会場STANDING PINE 東京
https://standingpine.jp/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex Ⅰ 3F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
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