終了した展覧会・イベントです
[画像: 薔薇刑 #32 Ordeal by Roses #32 1961 gelatin silver print on baryta paper ©️Eikoh Hosoe]

細江英公 「薔薇刑より (1961,1962)」

西村画廊
終了しました

アーティスト

細江英公
西村画廊では、2023 年6月13日(火)から7月8日(土)まで、細江英公の写真展 『薔薇刑より(1961, 1962)』を開催いたします。

1933年山形県に生まれ東京で育った細江は、1954年に東京写真短期大学(現 東京工芸大学)を卒業後、1959 年に東松照明、奈良原一高、川田喜久治らと共に写真家によるセルフ・エージェンシー“VIVO” を結成、1960年に暗黒舞踏の創始者・土方巽らを被写体に人間の“生” と“性” を表現した『おとこと女』の個展(小西六フォトギャラリー)で日本写真批評家協会新人賞を、そして1963年には、このたび当画廊でオリジナル・プリントを展覧する三島由紀夫の『薔薇刑』の写真集(集英社)により日本写真批評家協会作家賞を受賞するなど、写真表現に新たな地平をもたらす存在として瞬く間に地歩を固めました。その後も、秋田や東京の各地で土方を撮影した『鎌鼬』(1969年、現代思潮社)をはじめ、写真史に重要な足跡を残す革新的な作品を多数発表し、また他方では東京工芸大学教授や清里フォトミュージアム初代館長を務めるなど後進の育成にも注力し、文字通り日本の写真界を牽引してきました。

『薔薇刑』は、当時28歳の才気あふれる新進写真家・細江英公が、不世出の文学者・三島由紀夫を被写体に迎え、“生” と“死” を主題に1961年秋から1962年春にかけて撮り下ろしたもので、これらの耽美的で前衛的な写真が、今日の三島由紀夫像に決定的な影響を与えていることは言を俟ちません。
まだ二十代前半の森山大道が助手として参加し、三島の自邸や土方の道場を舞台に行われた撮影の現場では、三島邸にあった木槌やゴムホースを小道具として即興的に用い、あるいはジョルジョーネのヴィーナスの上半身を消して描いた布地の絵を準備し三島の肉体と融合させるなど、綿密な着想とその場の偶発性を柔軟に取り込む細江の演劇的才能が雄弁に発揮され、また暗室作業においてはハイ・コントラストや複数のフィルムを合成するフォト・モンタージュなどの技巧を凝らし、輝くばかりの英気や底知れぬ虚構性など被写体としての三島の魅力を最大限に引き出しています。

本展では、発表から60年の時を経てなお国内外で熱烈な評価を保持し、三島を象徴するアイコンとして比類ない煌めきを放つ『薔薇刑』から、1985年に印画した希少なオールド・プリントと近年のモダン・プリントの計約20点を公開いたします。
洗練された知性と俗なるものが混淆した三島由紀夫のアンビバレントで官能的な魅力を、秩序と破壊の振幅を果敢に行き来する細江英公の魔法のような写真術で記念碑的に定着した、写真史に屹立する金字塔『薔薇刑』に、どうぞご期待ください。皆様のご来廊を心よりお待ちしております。

スケジュール

2023年6月13日(火)〜2023年7月8日(土)

開館情報

時間
10:3018:30
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttp://www.nishimura-gallery.com/細江英公-薔薇刑より-1961-1962/
会場西村画廊
http://www.nishimura-gallery.com
住所〒103-0027 東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
アクセス東京メトロ銀座線日本橋駅B4出口より徒歩2分, 東京メトロ東西線日本橋駅C4出口より徒歩2分, 都営浅草線日本橋駅D4出口より徒歩2分, JR東京駅八重洲北口より徒歩8分
電話番号03-5203-2800
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します