エステルオカダアートギャラリーでは、2023年2月1日(木)から2月25日(日)まで、細井えみかによる個展「Nailing to the beach」を開催いたします。細井は、鉄やボルトナット、クランプなどの工業的な素材やファブリックなど様々な素材を用いて立体作品を生み出しています。自身の制作について、「『知っている』と認識していることが、どれほど真実味を帯びたものか確かめる行為」であると述べる彼女は、これまでにも我々が日常で当たり前のように目する物や風景に違和感を覚えさせるかのような作品を制作してきました。過去作が、家具や建物、商業施設における什器など身近に存在する製品を連想させながらも、それらが持つ本来の用途や意味を奪い、ショッキングとも言える感覚を覚えさせる「作品」となっていたのに対し、本展では、我々が普段注意を払うことのない、作品の裏側、もしくは目に見える「物の裏」への視点を導きつつ、表裏という対の概念自体についても問いかけます。本展のタイトルである「Nailing to the beach」とは、砂浜に釘を打つ、という意味です。無意味で不毛とも思われる行為に対し、無意味でない行為とは何なのか。我々が見ていると思っているものは、果たして実際に其所に存在するのか、さらには目を眩まされることなく本質を見ようとすること自体に意味はあるのか。様々な問いを生み出すであろう本展に、是非ご来廊いただけますと幸いです。
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