TOKYO INTERNATIONAL GALLERY株式会社 Tokyo International Gallery(品川・天王洲)では、2026年5⽉23⽇(⼟)から6月27日(土)まで、内野琳央・大野陽生・長沢楓によるグループ展「Figround — 図と地」を開催いたします。
私たちがギャラリーや美術館に行って絵画や彫刻を目にするとき、目の前にある作品が「図」で、壁や台座、展示室は「地」のように見えます。表象と媒体との関係に目を向けると、表象が「図」で媒体が「地」のように見えるかもしれません。絵画を見て、素材と支持体との関係を考えると、素材が「図」で支持体は「地」のように見えるかもしれません。そしてしばしば、「図」が本質的なものであるのに対し、「地」は単なる背景のように見なされます。
しかし、「図」と「地」の関係は果たして自明なものなのでしょうか。本展で展示する3名のアーティストの作品においては、「図」と「地」の関係はさまざまに絡み合い、時に撹乱され、時に曖昧化されています。
内野琳央は、乾燥させて紐状にした油絵具を編んだ「絵画」や、紙の額縁で構成された作品を制作しています。そこでは、絵具がキャンバスなしにそれ自体でイメージを形成し、通常絵画において支持体と理解される紙が額縁という展示装置の役目を果たしており、素材と支持体、展示装置の伝統的なあり方が解体されています。
大野陽生が制作する立体作品は、宗教的な美術表現にインスピレーションを受けています。それは大きな聖堂や教会に設置されるものというよりも、所有者の身近に置かれ、時には携帯されるパーソナルな祈りの対象を思わせます。そこでは、置かれる場所や環境という「地」のあり方が、素材の選択や造形へと侵入しています。
長沢楓は、民藝品から動植物のモチーフを抽出し、油彩や木版を用いてキャンバス上で表現しています。西洋美術の伝統においては、キャンバス上に描かれるイメージは常に表現の中心的要素と見なされてきました。陶磁器や織物からキャンバスへと、「地」が置換されたイメージは、「装飾」と「表象」の境界について再考を促します。
素材、支持体、展示装置/展示空間といった要素を意識的に利用しつつ、そのオルタナティブなあり方を模索する作品群を通じて、本展では、私たちがアートを鑑賞するとき、「作品」をそこに在らしめているものは何なのか—物質的・空間的・制度的に—を問いかけます。
まだコメントはありません