東京都美術館アーティスト
西田祥子、工藤春香、金川晋吾、坂本夏海、佐々瞬、さめしまことえ
選べなくて、逃れがたい。似ているけど、よく知らない。
人が必ず誰かから生まれてくる以上、「家族」は完全に断ち切ることは難しい関係として、私たちのすぐ近くに存在しています。そしてそれは、歴史上、社会を統治する制度として利用されてきました。「家族」をめぐる公の言説は、常に、私たちの感情を喚起するように、私的な内面に向かって語りかけてきます。そうやって、私たちは「公的に」つくられてきた制度をいつしか内面化しています。
本展は、そのような私的でありながら公的である「家族」について見つめ直す試みです。
近代家族制度における母親の役割について考察する工藤春香。家族という制度に収まらない共生の形を探りつつ写真に残す金川晋吾。ケアする身体・物質・時間・行為が、公共空間の中でどのように「共にある」ことができるかを問う坂本夏海。地域社会の営みのなかにあるジェンダーロールを運動会の一場面から伝えるさめしまことえ。立ち退きが進む集合住宅とその痕跡を丹念にリサーチしながら、「家族」が住まう地盤としての住まいについて探る佐々瞬。参加アーティストたちは、それぞれに、今ある「家族」にまつわる小さなリアリティを見つめながらその表象を試みています。
本展は、あらゆる世代の「家族」が憩う場となってきた上野公園に位置するこの美術館で、各人の身体に内面化された「家族」という制度の構造を可視化することで、あたらしいかたちを構想するための小さな試行錯誤を行っていきます。
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