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やとうはるか 「今日が終わると明日がくるよ」

APどのう
終了しました

アーティスト

やとうはるか
手持ちの服が大量にあって散らかっている。みんな買う時には理由があって自分が選んだ服なのに、なぜか着たい服が見つからないし、なにがお気に入りかわからなくなってしまった。
なんで大切にできないんだろう、という気持ちはあるのに、もっと大切にできるものを新たに求めてしまう気持ちもわく。きっとその大切にできそうなものを得ても、豊かさに到達できない底なしの不足感は解消されないだろう。

そもそも本当に不足しているのだろうか。

やとうはるかの作品は、日々の生活から得られる身体の動きが活かされているように見える。犬の散歩や子どもとの生活、農作業の手つきなどが身体を形作り、そのような経験をした者としての描画が可能となる。それらの動きと描く動きは全然違うように見えても、どこかで繋がっているように感じさせる。

子どもの世話が忙しい時は色数が絞られたり、自分の時間に余裕が持てるようになった時は一気に色数が増えたり、生活が自然と作品に影響してしまうほど、同じ軸の上にあるがゆえに動きもリンクしているのだろうと思う。

やとうはるかの絵にはいくつかの時間が重なり合って見えてくる。その瞬間だけを捉えているのではなく、群像として描かれた人々が各々の時間を持っていたり、毎日繰り返される行動が積み重なって1つの場面となっている。彼女の演劇での経験がそうした画面の時間感覚を生み出しているのだろう。

「今あるものを使い切る」という話を彼女とした。使えるものは永く使うし、無駄にしない。新しいものがなくとも今あるものだけで十分足りる。ものだけではなく、経験に対してもそのような姿勢を感じさせる。いままでの経験や行為を彼女は大切にし、使い続けている。生きている中で感じる、なにかが足りないという得体の知れない不足感は、彼女の作品や生活観をヒントにすることで解消されるかもしれない。

スケジュール

2025年4月5日(土)〜2025年4月28日(月)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
火曜日、水曜日、木曜日、金曜日
入場料無料
会場APどのう
http://apdonou.com/
住所〒302-0011 茨城県取手市井野1-7-7 アールヒルズ取手102
アクセスJR常磐線取手駅東口より徒歩10分
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