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大槻英世 + 山田はじめ 「Still-Work」

LIGHT HOUSE GALLERY
終了しました

アーティスト

大槻英世、山田はじめ
Still Work(静作)という概念について

静作(still-work)とは、半永久的に未完成のままに見える作品を指す造語である。この言葉を起点に、絵画らしさを拒否することによって、むしろ絵画の本質に迫ろうとする大槻英世と山田はじめの作品を紐解いていきたい。

静物画(still-life)は画家の才能を測るのに最適な様式だ。室内の卓上というコントロール可能なモチーフのおかげで、色彩と構図の構成力、空間把握能力、陰影表現、質感の描き分け、更にはモチーフに象徴的な意味を込める手法まで、ありとあらゆる具象表現の技量を可視化できる。
一方で大槻と山田は、むしろ画家としての技巧や作為を隠蔽するために具象表現を用いている。
人間の手で作られている以上、作品から作家的意図と操作の痕跡を無くすことは不可能だ。ミニマリズム的に構成要素を抽象化・最小化しても、かえって作家の作為は強調されることになる。

だが、作為を消すことはできなくても、知覚できなくすることは可能である。手仕事の痕跡を日常的オブジェクトに擬態させて隠すのだ。
その捉えどころのない不完全な印象の作品群は、まだ制作中(still working)であるかの様に見える──もしくは非アート的な外観でありながら、それでもアート作品(still artwork)としての機能を保持している、という奇妙な状態にある。

静物画が画家の才能を鑑賞者にプレゼンしているのだとしたら、『静作画』はそれと対照的に、鑑賞者の審美眼と洞察力に挑戦を仕掛けているのである。我々は、誰にも理解されない作品を制作したい訳ではない。静作(still-work)は、作品らしさを必要としない作品、そして理解されることを必要としない作品について考えるための手段なのだ。

スケジュール

2024年8月17日(土)〜2024年9月1日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
月曜日、火曜日、水曜日
入場料無料
会場LIGHT HOUSE GALLERY
http://lighthouse-tokyo.net/gallery_top.html
住所〒130-0021 東京都墨田区緑2-15-15 1F
アクセスJR中央総武線両国駅東口より徒歩11分、都営大江戸線両国駅A5出口より徒歩6分
電話番号03-6666-9699
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