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島内秀幸 + 内田遥平 「引き裂かれた世界の幻影」

HECTARE
終了しました

アーティスト

島内秀幸、内田遥平
HECTAREではアーティスト・島内秀幸と写真家・内田遥平による二人展「引き裂かれた世界の幻影」を開催します。島内氏は路上に捨てられた印刷物やポストに投函され続ける不要なチラシ、街に溢れかえった広告物などをスキャンすると、表面を漂白し消去します。そうして出来た写真(物体)は本来の役割を失い、まるで資本主義の亡骸として、もの哀しげにたたずんでいるように見えます。島内氏の作品を通して、我々は普段から迅速かつ暴力的に情報やアドバタイズメントを知らぬ間に見せられていることを再認識します。さらにその“表層”の奥にある実態は一体何なのか、そのものの実態について再度考えるきっかけになります。「方丈記」の冒頭にもありますが、川の流れが一つとして同じ形を持たないように、資本主義自体が姿なき幻影ではないかと思えてくるのです。

内田氏の新作「f(x)」も“表層”という部分において、島内氏と深く通底しています。内田氏は創作していく過程で自然と導かれるように「色即是空」の教えにたどり着き、写真における因果関係を分解・解体すると「f(x)」という作品を生み出しました。初めにフィルムを燃焼させるとそのフィルムを印画紙にプリントし、その後スキャニングすると液晶画面に表示させます。それを複写して再び印画紙にプリントする。これらを繰り返しながら分解した写真的要素をレイヤー上に重ねることで、一枚の写真が出来上がります。「f(x)」はいくつもの要素が偶然にも重なってできた表層に過ぎず、絶えず変化していくその姿に無常と転変を見るのです。「視覚というのは表層のみを捉えてしまいがちであるが、物事の本質はそこにありません」と内田氏は言います。両者の作品は“表層の奥を見つめる”という事の重要性を、この現代において改めて示唆しているのかもしれません。

本展のタイトルにもなった「引き裂かれた世界の幻影」は、歌人・随筆家でもある鴨長明の「方丈記」の英題(副題)「Visions of a Torn World」をさらに直訳することで生まれました。今展示では「方丈記」で示された無常な世界はさることながら、展示タイトルのように再構築していくプロセスが両作家の作品と見事にリンクし、見るものを表層の内側へと誘います。「引き裂かれた世界の幻影」は我々の眼で捉える事はできませんが、おそらく本展にはそこに通ずる入り口のようなものが各所に散りばめられていると思います。「方丈記」の冒頭の文章を手がかりに、ぜひ尋ねてみてはいかがでしょうか。

スケジュール

2023年12月8日(金)〜2023年12月17日(日)

開館情報

時間
13:0019:00
休館日
月曜日

オープニングパーティー 2023年12月8日(金) 18:00 から 21:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.hectaregallery.com/visionsofatornworld
会場HECTARE
https://www.hectaregallery.com/
住所〒150-0047 東京都渋谷区神山町40-2 DEAR J1 渋谷 1F
アクセス東京メトロ千代田線代々木公園駅2番出口より徒歩7分、小田急小田原線代々木八幡駅南口より徒歩8分、京王井の頭線神泉駅北口より徒歩13分、JR渋谷駅ハチ公口より徒歩15分
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