福田美術館清らかな青に誘い込まれるような湖畔、目の覚めるような眩い新緑、息をのむほどに美しく燃える紅葉、あるいは白い靄に煙る雄大な山岳…..国民的に知られる風景画の名手、東山魁夷(1908-1999)は日本各地を旅して、自然が織りなす風景を描き続けました。さらに魁夷は国外の芸術へ関心を示し、ドイツ留学を経て、欧州や中国など、彼の目を通した世界の風景も絵にしました。魁夷によって色付けられた風景画には、時代を超えて我々の共感を呼ぶ普遍性や美意識が宿っています。
世界の景色に憧憬した画家は、魁夷だけではありません。与謝蕪村(1716-1783)や池大雅(1723-1776)は、旅の道中に見た日本の風景を、憧れを抱いた中国の山水画を基に描き残しました。近代に入り激動の時代となった日本では、新たな活躍の舞台を求め欧米諸国を遊歴した横山大観(1868-1958)や菱田春草(1874-1911)が、風景に見る光や空気感を「朦朧体」という油彩画に似たかつてない技法で表現。彼らもまた、見たことのない景色への憧れや心に残る風景を、新しい表現をもって描き留めようとしたのです。
本展では、福田美術館で初公開となる、京都の修学院離宮を描いた《夕涼》をはじめ、オーストリア・メルクの修道院からドナウ川を見下ろす《青きドナウ》など、当館が所蔵する魁夷の風景画約30点に加え、京都の円山公園に咲く祇園しだれ桜を描いた《花明り》を特別に公開いたします。さらに、近代日本画家が描いた風景画に併せて、西洋の近代風景画の基礎を築いたカミーユ・コロー(1796-1875)や、印象派を代表するクロード・モネ(1840-1926)など、ほぼ同時代にフランスで活躍した西洋の画家の作品もご鑑賞いただけます。
前期: 2025年2月1日(土)~ 3月3日(月)
後期: 2025年3月5日(水)~ 4月13日(日)
まだコメントはありません