難波田史男 《無題》 1963 水彩,インク,紙 76.0×109.0cm photo: 斉藤新

「寺田コレクション ハイライト 前期 収蔵品展085 寺田コレクションより」

東京オペラシティ アートギャラリー
残り7日
当館収蔵の寺田コレクションは、東京オペラシティビルの共同事業者であった寺田小太郎氏(1927-2018)が、篤志により蒐集、寄贈したものである。その内容は、現代美術史を横目で見つつも、その流れのみに捉われない、一人のコレクターの透徹した審美眼を感じさせる。本収蔵品展では、寺田氏のコレクションの多くを占める抽象に焦点を当てる。
具体的な形態を排し、色、形、線の造形要素で芸術の純粋性を追求する抽象絵画は、1910年代初頭にヴァシリー・カンディンスキー(1866-1944)やピート・モンドリアン(1872-1944)が始めたとされ、近年の調査では女性画家のヒルマ・アフ・クリント(1862-1944)が彼らを先駆けていたといわれる。抽象とは、目に見えない感情や概念を形象化する手法であるが、ひとくちに抽象といってもさまざまな作風と傾向がある。
本収蔵品展では、人の姿や風景から有機的形態を抽出する抽象と、可能な限り表現を削ぎ落として純粋な概念のみの抽象を試みる作品を、2室に分けて紹介する。1室目では、難波田史男や赤塚祐二、中西夏之らを中心に、色彩溢れる感情や独自の詩情に満ちた抽象を、2室目では、菅井汲や松谷武判、白髪一雄らを中心に、凛とした緊張感や豊かな無を感じさせる抽象を展開する。
展示室で歩を進めるに従い、豊かな色彩に満ちた世界から厳しいモノクロームの世界へと徐々に移行していくだろう。寺田氏が志向した抽象は、欧米の抽象とは異なる独自のポエジーや東洋的精神を目指した、アジアにおける抽象の模索のさまざまなあり方を観せてくれるはずである。

スケジュール

開催中

2025年10月24日(金)〜2025年12月21日(日)あと7日

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日
11月3日、11月24日は開館
11月4日、11月25日は休館
入場料一般 1600円、大学生・高校生 1000円、中学生以下 無料
展覧会URLhttps://www.operacity.jp/ag/exh/detail.php?id=317
会場東京オペラシティ アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/
住所〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2
アクセス京王新線初台駅東口より徒歩3分、小田急小田原線参宮橋駅より徒歩11分、都営大江戸線西新宿五丁目駅A2出口より徒歩12分
電話番号050-5541-8600 (ハローダイヤル)
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