国川 広 Hiro Kunikawa Untitled oil on panel 52.9 x 41.0 cm ©Hiro Kunikawa

国川広 展

小山登美夫ギャラリー六本木
あと7日で開催

アーティスト

国川広
この度小山登美夫ギャラリー六本木では国川広展を開催し、絵画、ドローイング作品を展示いたします。

国川は1992年埼玉生まれ。2015年武蔵野美術大学油絵学科卒業後、2017年同大学大学院油絵コースを修了し、同年「アートアワードトーキョー丸の内2017」にて小山登美夫賞を受賞。翌年2018年には8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryで初の個展「未分のレポート」を開催しましたが、その後2021年に大変残念ながら逝去し、その繊細で豊かな才能を多くの人々が惜しみました。
今年2025年4月には、埼玉近代美術館一般展示室1にて個展「遠い人々のポートレート」が開催され、未公開作品も含め国川が残したペインティング、ドローイングを約340点を展示。同タイトルの初の作品集も刊行され、大きな評判を呼びました。

本展では、絵画、ドローイングを約90点展示いたします。
国川が生前残した作品のうち、多くはドローイング作品です。またドローイング、ペインティングの両方を通じて国川作品には裸の人物が描かれており、それらは性別や国籍も不明な抽象化された不思議な存在性、漠然とした「気配や雰囲気」であるといえます。

その裸のモチーフは、作家の「人の怖さ、不思議さ」への興味、そして「服を着てしまうと文化的なものが出てきて、『言葉やジャンル』が出てきてしまう。それをこえた、とらえられないような、はっきりしたものの間にあるものを描きたい」という想いから来ており、自身次のように述べています。
「私が絵を描く時はその何かの気配を捉えようとしているのかもしれない。そのために、人や風景の形、昔頭の中で想像した映像を借りてきてその気配を捉えるためのヒントにしている。」

人物を最初に描き、人の形ができるとぼんやりと空間ができ、その後背景になんとなく線をひいて形ができてくる。最初にイメージがあるわけでなく、感覚的に出てきたもの。また自分とモチーフ、現実の距離感を大事にし、その距離がいったいどれくらいなのか、距離のうつろいの心地よいところ、今の時間に別の時間やどこかの人に気配がまぎれこんでくるような、そんな遠いイメージ、ぼーっとしているときの感覚的な「名前のない状態」を探っていたといいます。

美術家、美術批評家の石川卓磨は次のように述べています。
「国川が描くのは、服を脱がされているわけでも、脱いでいるわけでもなく、服を着ないで生活している人々である。(中略)、、確かに彼らは動物的でもある。人間と動物のどちらでもあり、どちらでもないというハイブリッドの姿だ。ただし、それは人間と動物の相互の能力を兼ね備えた神話的なキャラクターではなく、むしろ相互の弱さと不能性のハイブリッドである。」

また武蔵野美術大学で国川の1年先輩であった画家の倉田悟は、自身のテキストの中で初めて国川作品を見た時の気持ちを次のように記しています。
「それ(国川作品)は『見たことのない絵』だった。色彩、形態感覚、人がいるのにいないような独特の気配、物質と図像のあわい、謎の説得力。その全てがこの絵が特別なものであることを私に告げていた。多くの人はまだ気づいていないこの奇跡。いま目の前に新しい表現が生まれ、自分はそれに立ち会うことができた。そんな気さえした。」

その短くも濃い生涯を通して、国川が希求し、表し続けた作品群。その世界観を見るものはどう感じ、どう捉えるのか、この貴重な機会にぜひお越しください。

スケジュール

2025年12月12日(金)〜2026年1月10日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
12月28日〜1月7日は休廊

オープニングパーティー 2025年12月12日(金) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/kunikawa2025/
会場小山登美夫ギャラリー六本木
http://www.tomiokoyamagallery.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1b出口より徒歩2分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩8分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6434-7225
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