鈴木博雄 「鈴ヶ獄部屋」

+DA.YO.NE.GALLERY(プラスダヨネギャラリー)
1月6日終了

アーティスト

鈴木博雄
鈴木博雄は、日本画の伝統とアニメーション文化を、まるで呼吸を合わせるようにひとつの画面へと溶かし込む稀有な作家だ。修復の現場で古典技法を学び、線や色、モチーフの扱いに宿る「日本画の身体感覚」を自らの礎にしながら、同時に彼はスター・ウォーズやジブリ、ディズニー、さらにはアニメソングやボーカロイドまで自身が関心の対象としてきた“動く世界”の感性を絵画へと持ち帰ってくる。

本展「鈴ヶ嶽部屋」で描かれるのは、静止画でありながら、どこか動き出しそうな世界だ。筆致や構図には古典絵巻の流れが宿る一方で、キャラクターの存在感や色彩の躍動は、アニメーションのリズムを思わせる。止まっているのに動いている。伝統なのに新しい。その矛盾のあいだに、鈴木は絵画としての今を探り続けている。

日本画史の中には、実はユーモアが脈々と流れている。鈴木はそこに早くから気づき、鳥獣戯画から北斎、国芳、暁斎へと続く「笑いの系譜」を現代に接続してきた。だが単に可愛さや楽しさに寄せるのではなく、アニメ文化が持つ親しみやすさと、日本画が持つ奥行きのある時間を併置することで、「伝統とは何か」「継承とはどのように生成されるのか」という問いを自然と立ち上げる。

「かわいい」とは私たちは何を考えこの言葉を発するのか?。見つめ続けるほど、その奥にある歴史の厚みと、画面の密度に宿る問いがじわりと立ち上がってくる。絵画は静かだが、感覚はずっと動き続ける――それが、鈴木博雄の作品の力だ。日本画とアニメーション。その二つを隔てる線を軽やかに飛び越えながら、新しい“絵の生態系”をつくろうとしている。「鈴ヶ嶽部屋」は、その挑戦がもっとも鮮やかに見える場となるだろう。

スケジュール

開催中

2025年12月3日(水)〜2026年1月6日(火)あと30日

開館情報

時間
12:0020:00
土曜日・日曜日・祝日は11:00から

オープニングパーティー 2025年12月6日(土) 17:00 から 20:00 まで

入場料無料
会場+DA.YO.NE.GALLERY(プラスダヨネギャラリー)
https://dayonegallery.com
住所〒100-8488 東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7階
アクセスJR有楽町駅銀座口より徒歩1分、東京メトロ丸ノ内線・銀座線・日比谷線銀座駅C4出口より徒歩1分、東京メトロ有楽町線有楽町駅D7出口より徒歩3分
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