中村宏「戦争記憶絵図」

ギャラリー58

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アーティスト

中村宏

このたびギャラリー58では「中村宏戦争記憶絵図」を開催いたします。
1945年、基地や軍需工場が集中していたために甚大な被害を受けた浜松で、中村宏は敗戦を迎えます。当時12歳だった中村は、毎日のように繰り返される爆撃の恐怖に晒され、浜松大空襲で赤く炎上する街をただ震えながら見ていたと言います。中村の戦争体験は、武装して戦場で闘う兵士とは違い、ただ逃げることしかできない、命を守る戦いでした。
中村は、砂川基地闘争の現場を描いた「砂川五番」（1955年）や、太平洋戦争末期の沖縄戦の悲劇を主題にした「島」（1956年）、ジラード事件を告発した「基地」（1957年）など数多くのルポルタージュ絵画を1950年代に手がけてきましたが、これまで自身の戦争体験を描いたことはありませんでした。戦争末期の原体験の記憶をモンタージュし、中村少年がかつて目撃した戦争をいま、ルポルタージュ絵画として世に問いかけます。本展では「空襲 1945」「機銃掃射 1945」「艦砲射撃 1945」とドローイングを発表します。90歳を迎え、今なお絵画の可能性を追求し続ける中村の新作をぜひご高覧ください。

スケジュール

2023年5月16日(火)〜2023年6月3日(土)