ミホミュージアム滋賀県東近江市に建つ湖東三山の一つ百済寺(ひゃくさいじ)は、聖徳太子創建と伝わる県内有数の古刹です。本堂内には同じく太子造像との伝承がある本尊の十一面観音立像が納められ、度重なる火災や法難を乗り越えて今に法灯を伝えています。極めて厳重な秘仏のためその姿は謎に包まれていましたが、近年の調査によって、奈良時代後半ごろの作として重要文化財に指定され、文化財修理が施されました。今回、同寺本堂の保存修理事業に伴い、初めて寺外で公開されることとなり、MIHO MESEUMにて展示いたします。
滋賀県内には多くの白鳳寺院遺跡が確認され、中でも東近江市では湖東式と呼ばれる瓦の存在など特殊な様相が見られます。百済寺の建立については、湖東の愛知(えち)郡周辺に居住していた渡来系氏族・依智秦(えちはた)氏が創建したと考えられています。こののち百済寺は、平安時代後期に天台寺院として比叡山と関りながら発展し、中世には多くの寺坊に囲まれた聖地として栄え、宣教師フロイスが地上の天国と称するなど、当時の華々しさが偲ばれます。残念ながら織田信長との対立により最盛期の威容は多くが灰となり、現在の本堂(重要文化財)などは江戸時代に再建されたものです。当展覧会では百済寺に伝わった仏像や絵画をはじめとする優れた文化財に加え、滋賀県内の金銅仏や木彫仏、天台宗と関わるとみられる絵画などを通じ、百済寺を中心とした滋賀県内の仏教美術を展観いたします。
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