東福寺 光明院アーティスト
Nell Shiina、Ryota Naruhashi、inertitudine [EKM]
京都・東福寺塔頭 光明院にて、 Nell Shiina、Ryota Naruhashi、そしてinertitudine [EKM](Maurizio Altieri)による三人展 Immanence / Emanation を開催いたします。本展は、「内在(Immanence)」と「発露(Emanation)」という二つの力学を軸に、身体・物質・知覚のあいだで生成する現象を多層的に探究する企画です。600年にわたり静寂を蓄積してきた光明院の空間に、三者の異なる実践が呼応し、知覚そのものが空間を生成する場を立ち上げます。
Nell Shiina《Le spleen de la chair》 は、乾漆を中心とした彫刻的アプローチにより、身体の内部性と外部への顕現が相互に生成しあう現象を可視化します。そこには 「物質が自己を超えて存在する悲哀」—形が宿した後もなお、物質が独自の時間を生き続けるという認識論的な痛み—が作品の根底に漂っています。
Ryota Naruhashi《内に向かう仮面》 は、反射と陰影を用いた亜鉛鉄板の構造体を通じて、主体と客体の転倒、内・外の反転を誘発するインスタレーションを展開。観者が「見る」という行為を自らの内奥へ沈めていく体験を提示します。
inertitudine [EKM](Maurizio Altieri) は、身体の運動性と物質の生成プロセスを横断する独自の実践を通して、身体の気配、運動、欠落、沈黙を空間へと滲ませ、存在の外側に生じる“気体のような身体性”を立ち上げます。
三者の作品はそれぞれ異なるアプローチを取りながらも、「内/外」 「抽象/具体」 「通時性/共時性」 「身体の消失と再生成」といった境界を揺らし、“存在がどのように世界へ開かれ、世界がどのように存在を生成するか”という根源的テーマを共有しています。本展 Immanence / Emanation は、光明院という歴史的空間の中で、観者自身の知覚・思考・身体を媒介として、内在から外方への発光のプロセスを追体験する、静謐かつ深い探究の場となるでしょう。
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