ALキャンバスから強烈な存在感を放って見るものの心を動かす、狛犬や龍、狐など霊的世界に棲む生き物の図像。丸尾氏の筆が運ぶアクリル絵具は立体的な迫力を伴いながら咲き誇り、巧妙に設計された色彩の豊かさを真鍮や銀の箔の輝きが一層引き立てます。ドローイングペンを用いて加えられる工芸的な描き込みで、モチーフの眼差しは神秘的なオーラを帯びるようです。丸尾氏は、闘病する家族を癒やしたいとの一心でアートの世界へ飛び込みました。独学で身につけた切り絵技法をもってデビューしましたが、フラワーアレンジメントの素養や切り絵のデザインなども統合した独自の絵画世界確立に取り組み続けています。
26年から都内で本格的な発表活動をスタートしたばかり。未だキャリアの浅い新鋭ながら、広い文化的視野と大胆な構図、意外性を伴ったエンターテインメント感覚も光り、今後の成長への期待が高まっています。彼女の創作態度に一貫して通底しているのは、「祈り」への尽きない興味です。幼少期から影響を受けてきたという神社特有の意匠や世界観へのリスペクトと、祈る生き物ともいえる人間の一面へのアプローチとして、人々の祈りを常に見守り続けている「神の使い」に、絵というもうひとつの住処を作り始めました。「この生き物たちの眼差しから、一人ひとりが原点に向き合い、受け継がれてきた絆や祈りの意味を感じていただけたら」と丸尾氏は言います。本展は、彼女にとってギャラリースペースで挑む初めての展示です。描き下ろし新作を含む、8号から50号までの大小近作、25点を展示・販売いたします。
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ギャラリートーク
日時: 2026年5月8日18:30〜19:00
登壇者: 丸尾伊代
※イベント詳細・お申し込み方法は公式ホームページよりご確認ください。
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