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ジム・ランビー 「Concrete Sphinx」

OSCAAR MOULIGNE
終了しました

アーティスト

ジム・ランビー
OSCAAR MOULIGNEはこのたび、グラスゴーを拠点とするアーティスト ジム・ランビーの個展「Concrete Sphinx」を開催いたします(2024年5月25日―8月23日)。新作スカルプチャーとペインティングを内容とする本展は、開催場所の建築から出発し、家庭用品、アクサリー、レコードジャケット、ポスター、転用したイスなど、日常的なモノや素材をダイナミックに変容させるランビー独自の手法を元にして構想されています。スペクトル色を駆使してポピュラー・カルチャー、音楽、美術史、さらには日々の状況やしきたりを多層的に参照するランビーの多様な実践は、時間と空間という物理的体験に対する強烈な感官と知覚の反応を引き起こします。

新作シリーズのひとつ《Body and Soul》は、ディープカラーの化粧品を、作者の身体からじかにカンヴァスに塗りつける方法で創られています。同シリーズは、身体そして身体が空間や歴史と取り結ぶ関係をめぐる思考と結びつきつつ、特徴的な「素材言語」を用います。オーストリアのアーティスト、マリア・ラスニクの仕事に見られるような、身ぶりを通じて内的感覚を表現する手法をも想起させ、さらに1960年代のアルテ・ポーヴェラ運動という伝統──ランビーの作品全体を通してたびたび現れるテーマ──を発想源としています。ランビーの作品は、抽象絵画の歴史に連なるよりはむしろ、素材を概念的に捉えることを通じて絵画表現にアプローチするものであり、抽象と再現、時間の経過のなかで構築されていく記憶を探究する精神のあいだで振動しています。カンヴァスのまわりの金属製フレームは、ランビーに特徴的な自動車用塗料が塗られていますが、これは作品の不可分な一部であり、世界の物理的現実へと作品をつなぎとめる役割を果たします。

ペインティング《Body and Soul (River Blue)》と直接関連する《Psychedelic Soul Stick #87》は、ランビーが20年間にわたって創りつづけているスカルプチャー連作に属しています。同連作は、竹竿にさまざまな色の糸を巻きつけながら、カーペットのやリボン、輪ゴム、メガネのフレーム、ボタン、ワイヤなど、作者が日常生活のなかで見つけたり使ったりした小さなオブジェをいくつも繭状に包みこんでひっかけるというものです。彫刻の伝統から派生したものでありながら、《Soul Stick》連作はまた、色彩、形態、素材の多様な相互作用や即興を通じた瞑想ともいうべき実践に根ざしています。

以上の要素は、本展に出品される他の作品にも現われています。たとえば金色に輝くスカルプチャー作品は、ビニールのラップや透明テープを、当ギャラリーの階段部分の床面積の合計と同じ大きさにカットして制作されました。また別のスカルプチャーは、一見ふつうのギターアンプですが、当ギャラリーの建築素材に応答して、中にはコンクリートが詰まっています。展覧会タイトルを明かしつつ、同作は言語を、他の作品に用いられているのと同じファウンド・オブジェクトとみなして探究します。既製品(レディメイド)をありふれた連想から解き放ち、感覚に強く訴える組み合わせを創り出して、見る者に挑戦し驚かせるのです。

本展に集められた新作はランビーの代表作、たとえば《Bed Head》(2002)を思わせます。プラスチック製ボタンを何千個もマットレスに手で縫いつけ、宝石のようにきらきらと輝く表面へと変容させる作品です。展示室の形状に合わせて床にビニールテープを貼っていく有名な《Zobop》(1999年初展示)──ランビー本人の談によれば、空間を満たすと同時に空っぽにするもの──を思わせる新作もあります。ランビーの実践に繰り返し現れてくるさまざまなアイデアは、あたかも空の天体のように繋がり合い、物理的身体、知的精神、直観的魂を通じて世界と詩的に関わっていくランビーの表現から広がりだしていくのです。

スケジュール

2024年5月25日(土)〜2024年8月3日(土)

開館情報

時間
11:0017:00
休館日
日曜日、月曜日
火曜日・水曜日は事前予約制

オープニングパーティー 2024年5月25日(土) 16:00 から 18:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://oscaarmouligne.com/exhibitions/jimlambie/
会場OSCAAR MOULIGNE
https://oscaarmouligne.com/
住所〒603-8232 京都府京都市北区紫野東野町1
アクセス地下鉄烏丸線北大路駅より京都市バス「建勲神社前」下車徒歩1分
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ねづ

ジム・ランビーだ! あの空間でどうなるのか楽しみすぎる