Moon Gallery & Studio本展示では、作家自身の同一性に対する探究を出発点とし、アート作品と立体装置の集大成を示す。現代においては、AIの利用が急速に広がり、人間と機械の境界は次第に曖昧になりつつある。それに伴い、われわれは自らの同一性が揺らぎ、失われつつある状態にある。本展示では、このような時代の状況と作品に共通して見られる性質を「不安定輪郭」というテーマとして捉える。
「不安定」とは、現代における同一性の揺らぎを示す概念であり、「輪郭」とは、「形を有し、実在する物体の形をなぞる線」と定義される。両者を組み合わせた「不安定輪郭」という言葉は、現代という時代性と作家の作品に通底する特徴を象徴している。
ところで、絵画において物体の輪郭線は常に同一性を表し、輪郭線あるいはシルエットの特徴によって物体そのものを認識する。
輪郭や形を失った物体は、なおその物体として認識されうるのだろうか。本展示では、物体の同一性とは何かを問いかける。そして、この問いを物体そのものにとどめるのではなく、人間と機械の存在へと拡張する。伝統的なタブロー絵画から、機械や生成AIを用いた立体作品に至るまで、哲学的な視点から、人と機械が共在するこの時代における、それぞれの「アイデンティティ」(同一性)を探る。
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