島根県立石見美術館フィンランドの伝説的デザイナー、カイ・フランク(Kaj Franck 1911 ―1989)。フィンランドのヴィープリ(現ロシア)に生まれ、ヘルシンキの中央工芸学校(現アアルト大学)の家具デザイン科を卒業すると、インテリアやテキスタイルのデザインに携わります。その後、イッタラやヌータヤルヴィ、アラビアといったフィンランドを代表するテーブルウェア・ブランドでデザイナーを務め、フィンランド・デザインの世界的な流行と発展に寄与しました。日本にも三度来日し、禅の文化や日本の伝統工芸のデザインに影響を受けるなど、そのものづくりと日本文化との接点も注目されます。フランクのデザインの革命性は、その哲学にあります。不要な装飾を削ぎ落とし、機能的かつ汎用性の高いデザインを志向し、必要最小限の数や量でものを持つことの良さを示しました。その考えに基づき作られた製品は、戦後の経済的に疲弊していたフィンランド社会で多くの家庭に受け入れられます。フランクはまた、サステナビリティーに対する姿勢でも時代をリードしており、すでに1967 年に「素材の研究は、再利用可能な素材の製造に焦点を移すべきだ」と発言するなど、今日私たちが直面する課題に答える視点を有していました。 本展はヘルシンキ建築&デザイン・ミュージアムのコレクションを中心に、ガラスや陶磁器、ファブリック、デザイン画など250点以上で、カイ・フランクの仕事を包括的に紹介する内容です。初期から壮年の代表作、後年のアート作品などに加え、写真や映像資料を通して日本との関係や、現在のデザイナーに与えた影響なども紹介します。
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