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徐康哲 「現像術」

Moon Gallery & Studio
終了しました

アーティスト

徐康哲
アーティストの徐康哲は、1999年生まれ、現在は東京を拠点に制作・生活している。

彼は、現代の権力メカニズムにおけるイメージの役割に長年関心を寄せており、映像アーカイブ、インスタレーション、パフォーマンス、テキストなど複数の媒体を横断しながら、日常的な視覚秩序の背後に潜む制度的暴力を、冷徹かつ時に機械的とも言える手法で「現像」していく。

彼の関心は、イメージの再現力そのものではなく、技術・行政・感情が交錯する中で、「リアル」という幻想がいかに構築されるのかという点にある。制作プロセスは、しばしば微細な視覚的手がかりから始まり、権力・監視・アイデンティティの仕組みを丁寧に解体することで、それまで中立的かつ客観的と見なされていた画像システムを、政治的行為の場へと転換していく。彼の実践は、「もう一つのリアル」を構築することではなく、私たちが信じている「リアル」がどのように構築されているのかを暴き出すことにある。

現像術(げんぞうじゅつ)とは、もともと写真術の用語であり、フィルムに潜在するイメージを化学反応によって可視化するプロセスを指す。本展において、それは政治的な方法論へと転化される。すなわち、イメージそのものを現像するのみならず、それを支える制度的構造や権力のメカニズムをも露わにし、「不可視」とされてきたものの輪郭を浮かび上がらせる試みである。

展覧会タイトル「現像術」が指すのは、単にイメージが「見えるようになる」ことではない。構造、システム、そしてイデオロギーそのものが表出することを意味する。イメージとは記録ではなく、動詞であり、命令であり、現実を構築する権力の形式である。ここでの「現像」は、逆操作である。既存の物語を分解し、映像装置を解剖し、視覚の裂け目から構造の亀裂を探る行為に他ならない。

スケジュール

2025年4月16日(水)〜2025年4月20日(日)

開館情報

時間
13:0019:00
最終日は17:00まで
入場料無料
会場Moon Gallery & Studio
https://www.moon-gallery-studio.com/
住所〒110-0014 東京都台東区北上野2-3-13 上野ダイカンプラザ 1F
アクセス東京メトロ銀座線稲荷町駅より徒歩8分、東京メトロ日比谷線入谷駅1番出口より徒歩8分、JR上野駅入谷口より徒歩9分
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