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この度、デカメロンでは、2023年10月7日(金)から10月15(日)まで、田中勘太郎による個展「ghost below overwrite」を開催いたします。 田中勘太郎は1989年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。北区のアーティストランスペース「JUNGLE GYM」を運営し、「マテリアルショップ・カタルシスの岸辺」としても活動中。主な展示に2022年「惑星ザムザ」企画・運営・出展、同年に個展「5年をとる筏、trailer」、2019年「もしも忘れたら」(恋する豚研究所)などがある。 布施琳太郎が本展に寄せたテキストは以下の通りとなっている。 田中勘太郎による個展『ghost below overwrite』に展示された作品の素材は、昨年開催された『惑星ザムザ』において発表された《上書きの下のミイラ》から再利用されている。田中自身が企画や運営にもかかわった『惑星ザムザ』において、彼は、会場となった小高製本工業跡地内部の産業廃棄物を「重し」として会場周辺の植物たちの「押し花」を行った。 今回の個展では、一年の月日を経て完成した「押し花」を、それぞれのかたちに合わせて造形された木材やアクリル板によって挟み込んだ作品が並ぶ。しかしここで不在となったものがある。それは『惑星ザムザ』において「重し」として利用された産業廃棄物である。それら「重しの不在」は、押し花の向こうに追いやられたインクジェットプリントとして残されている。 当時の会場を訪れた人々は、それらのプリントを会場風景だと思うだろう。しかし実は、これらは《上書きの下のミイラ》が展示された会場風景についての記述を、生成系人工知能のプロンプトとして入力して出力させたものなのだ。 ここで露わになるのは田中の真摯さである。その真摯さは、彼が『惑星ザムザ』のあとで会場となったビルの内装設計にかかわりながら、そこで不在に至らしめられたものたち(重し)が「美術作品のなかで生き延びたかのように振る舞うことの欺瞞」から距離を取ることを意味する。しかし何ものかが花々を押し潰していた過去は事実だ。だからこそ鑑賞者たちに対して、そうした過去に対して想いを巡らせる契機を残しながら、しかし永遠には取り置けないものたちの不在をも同時に示す。 そこにはChim↑Pom from Smappa!Groupの《ビルバーガー》が、取り壊される建築物の廃棄物を持ち出して美術作品として取り置くのとは、まったく異なる都市との向き合い方が垣間見える。それぞれの展覧会から取り出された《ビルバーガー》が建築物の破壊、つまり都市の新陳代謝を芸術的スペクタルへと置き換えてしまうのに対して、田中はまったく異なる押しつぶしを行う。彼は今はもうなくなってしまったものと、未だにそこにあるものの時間感覚を引き伸ばしたり、切り抜いたりするために、様々なものたちを押しつぶすのだ。
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