「言葉をつかむ手」 Catching Words with Hands 2004 98 x 62 x 42 cm painted camphor wood and marble photo: Tomoki Imai, 2026

舟越桂 「彫刻とドローイング」

西村画廊
5月16日終了

アーティスト

舟越桂
西村画廊では、2026年3月28日(土)から5月16日(土)まで、舟越桂(1951-2024)の彫刻2点とドローイング20点による、当画廊においては没後初の展覧会『舟越桂 彫刻とドローイング』を開催いたします。

舟越は1951年岩手県に生まれ、人間という存在を多様に形象した彫像の数々によって彫刻史に消しえぬ足跡を残し、2024年3月に72歳で帰天しました。東京造形大学と東京藝術大学大学院で彫刻を学んだのち、抽象的・概念的表現が席巻していた1980年代の美術界に具象の人物像、それも木彫彩色の半身像に大理石の目を嵌め込むという古典的技法によって登場した舟越の作品は、素朴な肖像彫刻であるのに、時代の精神を具有した、既視感とはおよそ無縁のものでした。颯爽としながらも孤愁を秘めた佇まい、凛とした静謐さ、繊細な知性を滲ませる内省的で遠い眼差し。――人間という存在が抱える普遍性を瑞々しく帯びた、叙情的で中性的な男女の像は、彫刻表現の新地平を軽やかにひらき、舟越は国内のみならずヴェネツィア・ビエンナーレ(1988年)やドクメンタ(1992年)など主要な国際舞台でも早くから活躍しました。2026年は、台北のKuandu Museum of Fine Artsで2月まで個展が開催された他、『舟越桂全彫刻作品集』(青幻舎)の刊行を控えています。また、本展の図録兼書籍「舟越桂 彫刻とドローイング」(舟越桂「見えない姿、新しい形」、公開対談「大江健三郎×舟越桂」再録/求龍堂)が当画廊および全国の書店で発売されます。

舟越は、函館近郊のトラピスト修道院のために手がけた《トラピストの聖母子》(1977)において素材としての楠に邂逅し、やがて同じ材を用い最初の木彫半身像となる《妻の肖像》(1979-1980)を制作。この作品を出発点として、人間を表現した半身像ならびに全身像を生涯に155点彫刻しました。初期の日常的な姿の着衣像をはじめ、後年舟越が「心象人物」と呼んだ、人間存在を豊かに表象した尋常の人体の形容を離れた作品や、人間世界の営為を静かに見つめる半人半獣で両性具有のスフィンクスなど、その時々に自身の内側で醸成された人間に対する思惟やイメージを造形に反映する形で、絶えず展開を継続しました。美しく、山を内包するほど巨大な精神を持ち、相反する内面を抱え、複数の時間を生きる人間という生き物の混沌としたありようが投影されたそれらの彫像は、生命のひとときを宿しながら永遠の深処にも触れ、「個」と「全体」が同居したような神秘的な貌、心の輪郭を映す実在感、そして善性も獣性も併せ持つ人間という存在を丸ごと包容する聖性を帯びており、限られた言葉で世界の真理を切り取った詩のように、尽きない深みで見る者を魅了します。

本展では、舟越が晩年まで自身の手元に置いていた、類まれなる優美さの《言葉をつかむ手》(2004)、人間の叡智を象徴する「本」の見立てとしての青い硝子板を額に掲げる《青の書》(2017)の2体の像と、舟越がアトリエに遺した、ほとんどが初公開となるドローイング20点を展示いたします。1983 年から2020年の間に制作されたこれらのドローイングは、木炭だけで描かれた勢いのよい作品から、色鉛筆や水彩を使い細緻に描き込まれたもの、あるいは美術館の展覧会に頻出した代表作まで、多岐にわたります。その一部には、上記2体の彫刻作品のためのドローイングもあり、彫刻との視覚的連関の中で、その魅力が一層際立つことでしょう。

当画廊では、1985年の初個展以来15回目、約3年振りの舟越展となります。皆様のご来廊を心よりお待ちしております。

スケジュール

開催中

2026年3月28日(土)〜2026年5月16日(土)あと42日

開館情報

時間
10:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.nishimura-gallery.com/%e8%88%9f%e8%b6%8a%e6%a1%82%e3%80%80%e5%bd%ab%e5%88%bb%e3%81%a8%e3%83%89%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%b0/
会場西村画廊
http://www.nishimura-gallery.com
住所〒103-0027 東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
アクセス東京メトロ銀座線日本橋駅B4出口より徒歩2分, 東京メトロ東西線日本橋駅C4出口より徒歩2分, 都営浅草線日本橋駅D4出口より徒歩2分, JR東京駅八重洲北口より徒歩8分
電話番号03-5203-2800
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