s+artss+arts(スプラスアーツ)より、山下和子と藤田チャコスによる二人展「a wonderful encounter」の開催をご案内申し上げます。
山下和子は、自身の感覚や直感を信じることに重きを置きながら、主にアクリル絵具や油絵具、アルキド樹脂絵具を用い、様々な技法を組み合わせることで、変わった表現が起こらないかと探り当てることを楽しむようにして制作している作家です。絵具が引き起こす奇跡的な動きと輝きを捉えながら、ポジティブなパワーをもつ表現を生み出しています。日々の生活の中で目の中に入ってくる絶妙な造形美が、いつの間にか身に染みて積み重なり、自身の中に確かな層として築かれていると山下は話します。絵を描く時は、自身の中にある層を探りながら、その時々の沸いた感覚で描きます。そうすることで、これまでに幾度となく訪れた外国の空気感、温度や光が自然と露出されてくるのです。それらの景色や感覚を表現することを描画のきっかけとしながら、絵の具と対峙し、緊張と発見を繰り返して作品を制作しています。完成した作品は、作家自身が見ても不思議で変わっている印象のものが現れることもあり、そのような出会いを楽しみながら制作を続けています。本展では、昨春に訪れたカッパドキアとイスタンブールの要素を含んだ作品を軸に展開いたします。
藤田チャコスは、日々の感情の煌めきや、人との出会いなどから浮かびあがるイメージを、多くの色彩を用いて表現しています。相反する事象や自身の内面を反映することを表現の軸とし、幼い頃親しんだ児童文学や民藝品の中にある透明性に憧れながら、物語の一場面のようなイメージ画を油絵具やアクリル絵具で描きます。自身の無意識を追求することで、人と共通する部分を見出せないかと考え、抽象と具象の間を行ったり来たりしながら、制作過程で生まれてくる「色やマチエールの美しい響き合い」を意識することで、そこに描かれるモチーフが心地良く調和され、独自の感性が魅力的な作家です。中高生の頃に不登校になり、合わせて2年程しか登校出来なかった過去を大事にしつつ、自分を知り、より自身を正直に表現する事で、いつか誰かの人生がより良くなる方向に進むきっかけになれるようにと願い、制作を続けています。近年、年を重ねる毎に「人と人との出会い」がどれだけの奇跡なのか、深く感じ入ることが増えたという藤田は、昨年夏に長野に移住し、豊かな自然から受け取るものと、様々なご縁への感謝を感じながら日々制作しています。
両者が作品制作をする上で重要な要素としている「出会い」からは、どれもポジティブな印象を受けます。本展タイトルは、彼女たちの作品から受ける「素敵な出会い」という意味合いを込めて、「a wonderful encounter」といたしました。これを機に、展示空間を彩る色彩豊かな二人の作品群を、是非お楽しみください。
kohiGirlie